Exhibition Footprint:ギャルリー東京ユマニテ

〒104-0031 東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB2F [地図]
tel: 03-3562-1305 fax: 03-3562-1305
休廊: 日 祝日
url: http://www.kgs-tokyo.jp/humanite.html
イメージ 展示名 開催期間 概要
画廊からの発言 新世代への視点2017 小松崎晃展 KOMATSUZAKI Akira 2017年7月24日~2017年8月5日 「画廊からの発言 新世代への視点2017」は、銀座・京橋を中心とした10画廊が各々に推薦する新鋭作家の個展を同時開催する企画です。ギャルリー東京ユマニテでは1982年生まれの小松崎晃(こまつざき・あきら)を紹介いたします。 岩絵の具と墨を丁寧に積み重ね、丹念に画面を作り上げる小松崎の絵画には、静かにたたずむ鳥や地面をついばんでいるような鳥など、様々な様子の鳥が描かれています。鳥の形に生きる事の不思議を感じ、人間とは違いあまり余計なことを考える事のなさそうな表情に惹かれる、と小松崎は言います。 そぎ落とされたフォルムで描かれた鳥に混ざって、図形のように直線で構成された鳥が描かれることもあります。描く中で鳥の形が膨らんだり縮んだりする感覚があると小松崎は言いますが、その変化を受け入れる事で、描き手の意図しない形が生まれてくるのかもしれません。どこか空想と現実が入り混じったような空気に包まれていますが、じっと見つめていると、この鳥たちをいつかどこかで見た事があるような感覚がもたらされます。 昨年のギャルリー東京ユマニテbisでの展覧会に続き2回目となる本展では、鳥をモチーフとした100号の新作を中心に10数点の作品を展示いたします。この機会をお見逃しなく、ぜひご高覧いただきますようお願いいたします。 <作家コメント> 鳥や花のかたちは時、心的なものにも触れる端緒のようなものであり、ただ単に確たる物象の描出なのではないといえる。ある記憶を持った人間の眼差しは、我知らず、その姿、存在に、過去の体験、情緒に親しいものをなにかしら想起するのかもしれない。現実か幻影か、別段何もハッキリ判別を迫られることはない。
野田裕示 〈外のちから〉 2017年6月26日~2017年7月15日 野田裕示(のだ・ひろじ)は1952年和歌山県生まれ。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業の翌年(1977年)、当時現代美術の先駆的画廊であった南画廊(東京)で初めての個展を行い、そのダイナミックな作品は注目を集めました。その後も国内外の美術館、画廊で発表を続け、2001年には芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。さらに石彫の岡本敦生氏とのコラボレーション作品が現代日本彫刻展(2005年)で毎日新聞社賞を受賞するなど、立体と平面による新しい展開も見せています。2012年に国立新美術館(東京・六本木)で大規模な回顧展が開催され、以降も精力的に発表を続けています。 野田は一貫して、支持体と絵画表現の有り様をテーマに制作に取り組んでいます。80年代初めの箱に入ったレリーフ状の支持体は、徐々に全体を麻の袋で覆ったものに変化し、さらにカンヴァスを幾重にも重ねた構成へと移行します。近年は躍動感のある人体のようなフォルムが現れたり、一転して白のフラットな画面に自由な形を描いたりと、表現も様々な変容を見せています。 今回の新作は、初期の作品に見られた箱形の支持体を用い、そこにペイントされたパネルと皺のよった麻布を組み合わせることで、色彩とマチエールがせめぎあい様々なちからが拮抗し、新たなかたちを誘っています。 本展は3年ぶりの新作展となり、20号大の箱形作品16点のほか小品数点が発表されます。次々と新たな試みを見せてくれる野田裕示の新作展をお見逃しなく是非ご高覧ください。
川島清 アウトバースト 2017年5月15日~2017年6月3日 川島清は1986-88年にAsian Cultural Councilの助成を受けて渡米。P.S.1プロジェクト(ニューヨーク)に参加。1993年「川島清 内層の視点-Observation」いわき市立美術館、「90年代の日本-13人のアーティストたちの提言」ローマ市立フォルクローレ美術館、デュッセルドルフ美術館、2000年「ART TODAY 2000-3つの回顧から」セゾン現代美術館等に出品。個展を発表の中心として精力的に制作活動を続けています。 近年は2006年「彫刻なるもの-川島清、土谷武、若林奮の作品から」いわき市立美術館、2013年「ミニマル|ポストミニマル 1970年代以降の絵画と彫刻」宇都宮美術館に出品。さらに昨年は川越市立美術館、いわき市立美術館において開催された新作を含む大規模な個展が好評を博すなど、日本を代表する彫刻家の一人として活躍しています。 鉄、鉛、木、石膏など重厚な素材を用いて構成される川島の作品は、身体を通して紡ぎだされる言葉とともに構築された空間が提示されます。一方、平面作品として発表されるドローイングは、彫刻のプランとしての位置づけではなく、紙や板など素材の上に成立した彫刻として、また別の位置付けがなされています。 今回の展示は平面作品の新作となり、以前発表された銅版画にコラージュ、ガッシュ、鉄さびなどで着彩された2.3mもの大作を中心に発表いたします。お見逃しなく是非ご高覧下さい。
加納光於 《稲妻捕り》 Elements 1978 「言ノ葉」と色象のあわいに 2017年4月10日~2017年4月28日 加納光於(かのう・みつお)は1933年東京生まれ。独学で銅版画を学び、1950年代半ばから作品を発表。1960年代にはリュブリアナ国際版画ビエンナーレ(ユーゴスラビア)、東京国際版画ビエンナーレなど数々の国際展で評価を高め日本を代表する作家の一人となりました。その後1980年代からは色彩豊かな油彩作品を発表し国内外の美術館で展覧会を開催。近年では2000年愛知県美術館、2013年神奈川県立近代美術館・鎌倉での個展など、現在も精力的に発表を続けています。 加納が作品を発表するきっかけとなったのは、まだ10代の1954年、詩人、美術評論家として活躍していた瀧口修造(1903-1979)との出会いでした。ほぼ独学で制作した加納の銅版画に瀧口は熱心に見入り、その類いまれな才能に注目し展覧会の企画を行っていたタケミヤ画廊(東京)の銅版画グループ展に出品を勧めます。1956年には初個展となる銅版画展が同画廊で開催され、さらに多くの国際展で評価を高めていきます。 その後も瀧口との親交は続き、1977年南画廊(東京)での最後の個展「稲妻捕り」ではリトグラフの他に100点ものエンコスティック(蜜蝋)ドローイングが発表されます。この作品に呼応して瀧口が「《稲妻捕り》とともに」と題する詩(手稿)を添え、1978年には書肆山田より「詩画集 《稲妻捕り》 Elements」が刊行されましたが、翌年の1979年瀧口は逝去します。 《稲妻捕り》シリーズは初期モノクロームの銅版画から、徐々に実験的な色彩を試行する中で初めて手掛けたリトグラフ作品で、それと同時に限られた色調による蜜蝋と顔料を用いたエンコスティックドローイングが制作されました。この作品がその後1980年代の色彩鮮やかな油彩に繋がり、加納の仕事の中でも重要な位置を占めているといえます。 今回の展示は、本詩画集「《稲妻捕り》 Elements」に収められた30点の原画とすべての作品に添えられた瀧口の詩と共に展示いたします。加納の画業に大きな影響を与えた続けた瀧口修造との最後となったコラボレーション作品。この貴重な機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。 尚、ギャルリー東京ユマニテは3/27(月)より京橋3丁目へ移転いたしました。本展は移転後初めての展覧会となります。今後ともどうぞよろしくお願いします。
苅谷礼展 ”Like a mountain, like the sea” 2017年1月30日~2017年2月4日 私のお気に入りの散歩道は、浜辺に出て河口へむかい、山へ向かって帰るというもので、浜辺に出ると、遠くに、東西に突き出す二つの長い岬が望め、朝だったら、岬の先端から太陽が昇るところ、夕方だったら、西の岬の端に沈むところも見られ、振り返れば、悠々とした山並みも見えます。それから、浜を歩くこと30分ほどで河口に着きます。この川は、それなりに川幅が広く、水量の多い時など、川の終わりに溜まった砂土を一気に蹴散らして海へ流れ出る様はなかなかのものです。この地点に立つと、それは贅沢な気分になります。 まるで、海のような、山のような、川のような、空のような。その全てを内包する豊かな気持ちのまま、家に帰り着くのです。
菅野由美子展 2017年1月23日~2017年2月10日 菅野由美子は1960年東京生まれ。東京造形大学卒業後の1986年「シドニー・ビエンナーレ」、1989年「第3回アジア美術展」(福岡市美術館、横浜美術館、韓国国立現代美術館巡回)など、国内外の展覧会に参加。女性美術家が台頭し始めた1980年代いわゆる「超少女」の一人として注目を集めました。当時はコンセプチュアルな立体の大作などを発表していましたが、1992年の個展を最後に制作活動を休止。そして15年ぶりとなった2007年の個展以降はそれまでの立体とは異なり、身の回りにある器のみを丁寧に描く古典的な油彩を発表しています。 中世ヨーロッパの静物画を彷彿とさせる、均一に塗られた背景に菅野が様々な国を旅して集めた器が、茶事の見立てのように物語に沿って選ばれていきます。よく見ると、それらはどこか擬人化された肖像画のようであり、また光線までも計算された静謐な画面は、何事も起こらない淡々と過ぎていく平和な日々の一場面のようですが、その静けさの奥にある力強い存在感は、見るものが不思議と自身の内面へと導かれるようでもあります。菅野の作品はストイックであるがゆえに、小さな画面から無限の広がりへとイメージは膨らんでいきます。 さらに近年は画面いっぱいに48個もの器が並んだり、均一だった背景がよりリアルに描かれるようになりました。今回の新作はその背景がさらに重要な要素として何処までも迷宮のように配され、器たちの不可思議な存在感がより強く際立ってきました。 今回ギャルリー東京ユマニテでは2年ぶりの個展となり、新作約10点を発表いたします。身近にある何気ない器のみをモチーフに様々な思いが広がる菅野の世界。今回も絵画と対峙する幸福感をじっくりと味わっていただきたいと思います。お見逃しなく是非ご高覧下さい。
今野治展 「Pan and Descent」 2017年1月23日~2017年1月28日 ここ数年、自宅のマンションの階段を下りながら見える風景をテーマに描いている。 言わば“ながら見”や“通りすがり”の風景である。 地平を見渡す視点(pan)と垂直に降りていく行為(descent)。 階段を下りながら見る景色は、左右に視界をかすめつつ自分と共に降下していく。 強固ではないがデタラメとも言えない。掴みどころは無いようで、確かに何かが折り重なっていく様な日常的な感覚に焦点を合わせられればと考えている。
谷川晃一展 「森の町・朝の光」 2016年12月19日~2017年1月21日 ギャルリー東京ユマニテでは昨年に続いて谷川晃一の個展を開催致します。現在、神奈川県立近代美術館葉山館でパートナー宮迫千鶴(1947-2008)との二人展「陽光礼賛 谷川晃一・宮迫千鶴展」を開催中の谷川。本展は、この展示に併せて新作を中心に発表します。 谷川は1938年東京生まれ。1960年代から「読売アンデパンダン展」等に出品し作家活動を始めます。ハイレッドセンターやネオダダのメンバーと一時活動をともにするなど当時の前衛美術の流れの中、国内外の画廊、美術館で作品を発表。近年は池田20世紀美術館、三鷹市美術ギャラリーなどでの個展、1990年代にはアメリカ各地で宮迫との二人展も行いました。また他方、美術評論、エッセイ、絵本などの文筆活動でも幅広く活躍。さらに雑貨コレクターとしても知られ、2014年には大岡信ことば館(静岡・三島市)でコレクションを集めた展覧会も開催しました。 谷川は1988年宮迫と共に現在の住まいである伊豆高原に移住。以後、豊かな自然と温かな陽光に恵まれた環境のもと、明るい色彩で大胆に、そしてちょっとユーモアも感じさせる作品を発表していきます。そして、今回の最新作「雑木林シリーズ」は海外を旅して影響を受けたプリミティブな要素も含み、人と自然が同化する不思議な心地よさを感じさせます。 今回の展示はこれらの作品を中心に紙にアクリルで描かれたドローイング作品約20点を発表します。この機会をお見逃しなく、神奈川県立近代美術館葉山館での二人展と併せて是非ご高覧下さい。
天野美帆展 AMANO Miho 2016年11月28日~2016年12月3日 海をながめていたら わたしの中にも海があることに気がつきました その海は、生まれてから出会った人たち、見てきたもの 物語の中の言葉やりんごの蜜のところなどにいたる様々な事柄から そそがれたものでできているようです わたしがそれらを忘れなければ、海はみちて涸れる事はなく そこに風は吹き続け、波が描かれ続けるのだと思います
川島清 ドローイング Part II ─3題 2016年11月21日~2016年12月17日 川島清は1986-88年にAsian Cultural Councilの助成を受けて渡米。P.S.1プロジェクト(ニューヨーク)に参加。1993年に「川島清 内層の視点-Observation」いわき市立美術館、「90年代の日本-13人のアーティストたちの提言」ローマ市立フォルクローレ美術館、デュッセルドルフ美術館、2000年「ART TODAY 2000-3つの回顧から」セゾン現代美術館に出品。個展を発表の中心として精力的に制作活動を続けています。 また近年は2006年「彫刻なるもの-川島清、土谷武、若林奮の作品から」いわき市立美術館、2013 年「ミニマル|ポストミニマル 1970年代以降の絵画と彫刻」宇都宮美術館に出品。日本を代表する彫刻家の一人として活躍しています。 鉄、鉛、木、石膏などの重厚な素材を用いて構成される川島の作品は、身体を通して紡ぎだされる言葉とともに構築された空間が提示されます。一方、平面作品として発表されるドローイングは、彫刻のプランとしての位置づけではなく、紙や板などの素材の上に成立した彫刻として、また別の位置付けがなされています。 今回の展示は8月開催の「ドローイング Part 1」に続く展示で、近年のドローイング約20点を展示いたします。 さらに、今夏川越市立美術館にて開催された個展が、11/3からはいわき市立美術館(11/3-12/11)へ巡回され、2005年以降の作品を中心に新作を加えた展示となります。こちらも併せてご高覧下さい。
平野恵子展 HIRANO Keiko 「原点 origin」 2016年11月21日~2016年11月26日 今回の個展「原点」。その名の通り、何かを学んだり、覚えたり、知ったりする前の原点の形に戻りたかった。小学校5年の時、初めて素材として発泡スチロールを電熱線で切った時のカタチ。無心に発泡スチロールを切ること、切れていくのを見ることが面白くて手を動かした自由で「根源的なカタチ」。そこに帰ろうと思った。 昨年の個展を終えて自分の作った作品達を振り返った。わざわざ大学に入り立体を始めて数年、私は何をしてきたのだろうか。そこに何らかの統一性や方向性を見出せるのだろうか。次に何を作れば良いのか、何を作りたいのだろうかと。その問いかけを胸に、故郷の山河を辿った。心を旅するような時間。 その答は意外なところで見つけた。春に参加した全く関係ないワークショップ、気楽な気分でカッティングシートを切った時、その時生まれた形、それは遠い原点に結びつくものだった。此処に帰りたい、この時に帰ろうという思いで創った作品。他に照らすものも何も無く、無心に、只々「造形する」そのことのみが心に有った瞬間。それこそが作品。
真道あすか展  「この身に纏う妖気を手にいれる」 2016年7月4日~2016年7月16日 《ごみなのか 芸術なのか? 憑きものなのか 表現なのか?》 上のほうより落ちるものを受け これをわたしを混じえず転写する 絵をかくという行為はわたしにとって その作業の反復です わたしが念写の能力を持つのならばこれは一瞬なのですが それをもたぬので古典的方法でもってこれを写します わたしはこの落ちるものにとってはたいへん隷属的な存在である というのがいちおうの定義なのですが 俗世間の煩悩とでもよぶべき かずかずの誘惑についこの目/時にこころ奪われてしまう 迷い多き浮世の身としては わたしの分身をつくりこれに従事させるのと これらの欲望に勝ちうる方法を見つけるのとどちらがより現実的且つ効率的か などということを天に問うて日々を塗りつぶしています
宮迫千鶴作品展 ―楽園の歳月― 2016年7月4日~2016年7月16日
近藤竜男展―1950年代の油彩・ドローイング 2016年5月9日~2016年5月21日 近藤竜男(b. 1933)は1955年東京芸術大学を卒業後、読売アンデパンダン展に参加。サトウ画廊、村松画廊で個展を行ない'61年に渡米。2001年までの40年間、ニューヨークを拠点に日米での個展やグループ展などで発表し活動ました。 近藤がニューヨークに渡った1961年当時は、抽象表現主義の末期からポップアートが台頭してきた時期でしたが、近藤はグレーやグリーン、ブルーなどの対角線の構図から構成される幾何学的でシャープな印象の作品で独自の世界観を作り上げました。その時期の仕事は2002年に練馬区立美術館で開催された回顧展「ニューヨーク⇔東京 1955~2001」で紹介され、その後も精力的に制作を続け、2010年には当画廊の個展で新作を発表しました。 さらに、2013年には渡米前1955-59 年にかけて制作された未発表ドローイングから近藤自身によって選ばれた約50点を展覧。1950 年代の本格的な平面作品は、近年発表される機会がほとんどなく、先の練馬区立美術館での回顧展で一部が展示されたのみで、貴重な展示となりました。今回は、ドローイング展に続くもので、同時代に制作された油彩大作を中心に約15点展示いたします。 昨今、1950年代以降の日本現代美術が再評価される中、近藤がその時代性も含めどんな影響を受け、どのような方向性を定め進んだのかを見つめることで、戦後から現代へ大きな変換期となったこの時期のアートシーンを新たに検証できのではないか思います。また、展示に併せて、関連のギャラリートークも開催いたします。この機会に是非ご高覧いただけますようご案内申し上げます。
長谷川久恵展 2016年5月9日~2016年5月14日 波が揺れ、動き、光がきらめく。 銀箔を、薄青く染めたガーゼに貼り付け、そしてはがし、また貼り付けはがす。 そのような作業の繰り返しの中で、消えていくものもあり、現れるものもある。 今回の個展でも銀箔、ガーゼ、アクリル絵の具を素材に制作しました。
保坂航子展 HOSAKA Kouko 「やうやうにして春、土に纏わるet cetera」 2016年4月4日~2016年4月9日 やうやうにして春、土に纏わるet cetera? 泡沫の花。 木洩れ陽のなかにある。 それ。 雨の後の水溜。 春の雨……秋に手向ける、nuance
兪佑盡展 YOO Woojin ”Distortion” 2016年3月28日~2016年4月2日 私は視覚的美術を意味するオプティカル・アート(optical art)に興味を持ち、主に幾何学形体や色彩に注目し、制作活動をしてきました。特に、平面に描かれている形であっても強い立体感を感じさせる表現、いわゆる立体的イリュージョンに関心を持っています。 今回の作品は、幾何学形体の中でもそれ自体が立体感を持っている立方体を用い、ディストーションによってボリューム感や空間感を強調する作品を目指しました。
加納光於 《挿画抄》 1972-'79 2015年12月14日~2015年12月26日 加納光於(かのう・みつお)は1933年東京生まれ。独学で銅版画を学び、'50年代半ばから作品を発表。'60年代にはリュブリアナ国際版画ビエンナーレ(ユーゴスラビア)、東京国際版画ビエンナーレなど数々の国際展で評価を高め日本を代表する作家の一人となりました。その後'80年代からは色彩豊かな油彩作品を発表し国内外の美術館で展覧会を開催。近年では2000年愛知県美術館、'13年神奈川県立近代美術館・鎌倉での個展など、現在も精力的に発表を続けています。 加納は初期の発表からモノクロームの銅版画を制作していましたが、'69年に武満徹のLPレコードのジャケットデザインがきっかけとなり、'70年代に入ると連続するイメージからの「本」、さらには版画の過程から当時技術が進んだ「印刷」へ興味を持ち、雑誌や書籍の装幀やカット、限定数の多い詩画集や版画集、オブジェの制作を通して、大岡信、澁澤龍彦、吉増剛造など様々な分野のアーティストとコラボレーションしていきます。 本展は'70年代に『中央公論』、『朝日ジャーナル』、『展望』(筑摩書房)、『図書』(岩波書店)、『花椿』(資生堂)など雑誌の挿画、カットとして掲載された原画や未発表のエンコスティックドローイングなどを含めて約200点を展示販売いたします。 '70年代意欲的に様々な活動を繰り広げた加納。銅版画、油彩の仕事とはまた違った当時の活動の一端を垣間見ることができる貴重な機会です。お見逃しなく是非ご高覧下さい。
リトルクリスマス2015 小さな版画展 2015年11月30日~2015年12月12日 作品をコレクションすることで、美術をもっと身近に感じてもらいたい、という思いから作家によって企画された「リトルクリスマス 小さな版画展」。ギャルリー東京ユマニテは今年で5回目の参加となります。 国内外で活躍する版画家48名が、クリスマスの時期に合わせて全国の画廊を会場に新作を発表します。初めての方もコレクションしやすいように、またクリスマスのプレゼントとしても最適なサイズ、価格設定(本展のみの特別価格)になっています。ぜひこの機会にお気に入りの一枚を探してみてください。
小堀了展 KOBORI Ryo 「IN YOUR ROOM/IN MY ROOM」 2015年11月30日~2015年12月5日 君の部屋 望むまま時を止める/進めることのできる君の場所 朝はすぐにやって来るのか それともここに置き去りにされたまま 君は去って行ってしまうのか (Depeche Modeの楽曲「In Your Room」より題名を拝借) 個人の部屋という特殊な場所と窓の外の世界 人の距離、ずれ、閉塞感が主題の作品そして展示
チューキァット・リキトパウンヤラット展 2015年11月16日~2015年11月28日 Imagine within IMAGINATION Imagine if only we find the way into the new perspective of the Imagination world. The people are looking for LOVE, FREEDOM, VITALITY…..on and on. Started from Genesis to Revelation and from Alpha to Omega. They discover the Kingdoms of eternity surrounding themselves with the landscape that is full of philosophy and spirituality, the significance of existence. The gates of the Kingdoms shall not be shut at all, let the people all come and go. Layers after layers, life after life, people are silently blessed with vivid Imagination. もし我々だけが想像世界の新たな視点へたどり着くならばと想像しよう。 愛、自由、活力を探し求める人々…延々と。 始まりは創世記から黙示録へ、そしてアルファからオメガへ。 彼らの見出す永遠の王国は哲学と精神、存在意義に満ちた地形に囲まれている。 王国の門は一切閉ざされるべきではない、人々の往来を。 幾重もの重なり、命に次ぐ命、鮮明な想像力を人は静かに享受している。
佐竹邦子版画展 「風分子 - Invisible Shape -」 2015年11月9日~2015年11月28日 佐竹邦子は1995年、多摩美術大学大学院美術研究科版画を修了。大学院修了後から精力的に国内外の展覧会で発表し、多くの版画賞の受賞を重ね、今最も注目される版画家の一人です。現在は同大学美術学部版画コースの准教授も務めています。 佐竹は「木によるリトグラフ」という独特の版画技法を用いて制作します。この技法は当初、版画家小作清史氏が多摩美術大学を中心に紹介されましたが、近年では佐竹が中心となって、国内さらに海外の美術館、大学などでワークショップを行い、オリジナリティあふれる技法は世界的にもその広がりを見せています。 海の生物のような有機的な形に色鮮やかな画面。佐竹が表現するのは「風分子」と呼ぶ風のかたちです。目には見えないけれど常に私たちのそばに寄り添う愛おしい存在。佐竹はそれらを全ての始まりのエネルギーとして表現していきます。本展はギャルリー東京ユマニテにて2年半ぶりの新作展となり、1.5mもの大作を中心に約10点新作を発表いたします。この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
豊海健太 TOYOUMI Kenta ‐界‐ 2015年11月9日~2015年11月14日 「界」 非現実と現実の境界 両者が混沌とする日常で、 世界の姿を再考する。 漆を用いた平面表現を展開しています。 漆黒の妖艶に映し出される現実世界。そして、瑞々しい透漆の奥に内在する非現実世界。 分断された世界の境界で、思考の再考を目指す。
川島 清 「パティオ II」 2015年10月5日~2015年10月31日 川島清は1986-88年にAsian Cultural Council の助成を受けて渡米。P.S.1プロジェクト(ニューヨーク)に参加。1993年に川島清「内層の視点-Observation」いわき市立美術館、「90年代の日本-13人のアーティストたちの提言」(ローマ市立フォルクローレ美術館、デュッセルドルフ美術館)、2000年「ART TODAY 2000-3つの回顧から」(セゾン現代美術館)に出品。 個展を発表の中心として精力的に制作活動を続けています。また近年は2006年いわき市立美術館での「彫刻なるもの-川島清、土谷武、若林奮の作品から」、2007年熊本市現代美術館での「ATTITUDE 2007 人間の家 真に歓喜に値するもの」に出品。日本を代表する彫刻家の一人として活躍しています。 今回の新作展は、2013年に発表した木、鉄、鉛を素材とした彫刻作品「Patioシリーズ」の連作、その他今回初めて手掛ける木版数点を発表いたします。是非ご高覧下さい。
藤川さき展 FUJIKAWA Saki 2015年7月20日~2015年8月1日 「画廊からの発言 新世代への視点2015」は、銀座・京橋を中心とした画廊の共同開催による展覧会で、各画廊が推薦する若手作家の個展を同時期に開催する企画です。ギャルリー東京ユマニテでは藤川さき(ふじかわ・さき)を紹介いたします。 藤川は1990年生まれ、2013年に多摩美術大学絵画学科を卒業しました。展覧会やアートフェアにて精力的に作品を発表、国内にとどまらず海外でも多数展示しています。「TAGBOAT ART FES 2014」では審査員賞をダブル受賞し注目を集め、今後の活躍に期待が高まる若手作家です。
時松はるな展 「きみの顏が好きだ」 in 東京 2015年7月6日~2015年7月18日 画面いっぱいに広がる、何やら楽しそうな若者たち。ある時は舞台袖で出を待つ俳優だったり、ある時は男子を追い掛ける女子だったり。また、沢山の群衆の中にいても何故か満たされない孤独感に悩む大切な仲間がいたり。日常的に繰り広げられるほのぼの、ドキドキとした人々の感情の一場面。自分自身と向き合いながら淡々と過ごす私たちの内面を代弁するかのように時松は何気ない瞬間を切り取り、全くの下絵なしに使い慣れたシャープペンシルや水彩、色鉛筆で軽やかに表現して見せてくれます。今回の新作展は4月に大阪福住画廊で開催した展示の巡回展となります。展覧会タイトルはずばり「きみの顔が好きだ」。ミュージシャン斉藤和義の同曲にインスパイアされた作品は、時松が関わる全ての人への素直な思いがストレートに表現されています。 4年ぶりの新作展となる本展は紙に描かれた作品約25点の展示となります。時松のどこまでも自由で楽しい作品たち。この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
神山明追悼展 「いい夢を見たかい」 2015年6月15日~2015年6月27日 この度、2012年に急逝した彫刻家 神山明の追悼展をコバヤシ画廊(東京・銀座)、ギャルリー東京ユマニテ(東京・京橋)にて同時開催いたします。 神山明は1953年東京生まれ。東京藝術大学大学院修了後、日本国際美術展、ヘンリー・ムーア大賞展、現代日本美術展、ハラアニュアル(原美術館)、サンパウロビエンナーレなどに出品。その後、国内外の展覧会で発表を続け、2000年以降は相生森林美術館(徳島)での個展、宇部市野外彫刻美術館(山口)の現代日本彫刻展、さらにコバヤシ画廊、ギャルリー東京ユマニテ、島田画廊(東京)などの個展で発表してきました。詩情を感じさせる静かな作品は独特の存在感を示し、日本を代表する彫刻家の一人として活躍。2012年には自身の企画編集による作品集「AKIRA KAMIYAMA WORKS 1984-2012」を刊行し、次の個展の構想を練りながら制作を続けていましたが、残念ながら2012年に急逝されました。 神山は、主に杉材にオイルスティンを施し、小屋や塔、階段などを組み合わせ、創造建築の模型のような精巧な作品を発表してきました。2005年の宇部市彫刻美術館の展示では野外公園に設置された大作を、ユマニテ前々回の個展では、2m 大のテーブルのような形状に工場や家、川など、大きな街が繰り広げられ、作られた異空間であるのに、どこか懐かしい風景、遠い昔の記憶を思い出させる不思議な魅力に満ちていました。 神山は生前「作品を制作する上で、以前は自分が想像する世界、そこにいる人たちを取りまく街などのストーリーを見つめていたが最近は、そこに存在する人そのもの、その人の心象の変化を見つめ、人について思いをめぐらすようになった。」また、「長い歴史の中で、人が考えてきたことや見てきたものは、どんなものだったか。そして、私たちがこれから考えることや見るものは、どのようなものなのか。それが作品を作るときにいつも考えている。」と残しています。 最後の展示となったユマニテ2010年の個展で「人そのもの」を考えた神山がたどり着いたのは、一切着色のない真っ白で無垢な紙で作られた人体を思わせる立体でした。それは、地にしっかりと足の着いた堂々とゆるぎない存在でどこか神々しいまでの印象を与えながらも、反面何も描かれない表面は、現代人が抱える不確実な感情を感じさせる独特な作品となりました。 本展は、神山明の追悼展として、コバヤシ画廊、ギャルリー東京ユマニテの二会場においてそれぞれの個展で発表された旧作を展示いたします。この機会をお見逃しなく、是非ご高覧下さい。
川島清 ドローイング 「茱萸の椎」 2015年5月25日~2015年6月13日 川島清は1986-88年にAsian Cultural Council の助成を受けて渡米。P.S.1 プロジェクト(ニューヨーク)に参加。1993年に川島清「内層の視点-Observation」いわき市立美術館、「90年代の日本-13人のアーティストたちの提言」(ローマ市立フォルクローレ美術館、デュッセルドルフ美術館)、2000年「ART TODAY 2000-3つの回顧から」(セゾン現代美術館)に出品。個展を発表の中心として精力的に制作活動を続けています。また近年は2006年いわき市立美術館での「彫刻なるもの-川島清、土谷武、若林奮の作品から」、2007年熊本市現代美術館での「ATTITUDE 2007 人間の家 真に歓喜に値するもの」に出品。日本を代表する彫刻家の一人として活躍しています。 本展は彫刻作品と並列して制作されている平面作品の中から、1.5mもの新作ローイング、彫刻小品数点を展示いたします。
黒田克正展「イメージの集積・拡散・消去」 2015年5月7日~2015年5月23日 黒田克正は1945年、滋賀県生まれ。武蔵野美術大学、東京藝術大学大学院修了後、1988年に日本国際美術展大賞を受賞し、以後、国内外で作品を発表。ニューヨークのグラフティアートに影響を受け、油彩にとどまらず、様々な素材を駆使したパワフルで即興的なペインティングが特徴です。 また、音楽家長谷川きよし、三宅榛名、女優吉行和子、舞踏家大野一雄等の舞台美術を手がけるなど、美術の垣根を越えて幅広く活躍。さらに2001年には京都女子大学で京都真如堂管主、画家の斎藤真城氏とのセッション、'06年には陶芸家清水六兵衛氏とそれぞれコラボレーション展を行い、世代を超え、互いの価値観がせめぎあう作品は好評を博しました。 今回ギャルリー東京ユマニテでの個展は5年ぶりの新作展となります。今回は以前よりもさらに鮮やかな色調となり、線描がより際立った作品になりました。80号の大作を中心に十数点の展示となります。尚、本展は6月にギャラリーなかむら(京都)へ巡回いたします。この機会に是非ご高覧下さい。
高橋常政  -巣鴨染井蓮華寺ふすま絵と「墨描画」 2015年3月23日~2015年4月11日 長い間、油彩、テンペラの混合技法で描いてきましたが近年は室町から江戸末期の日本絵画と北宋の中国絵画の研究を続けてきました。墨で描くことから始めましたが僕の望む表現はいわゆる「水墨画」ではありません。破墨などあいまいなにじみを避けて、宋の范覚のように筆を突き立てて刻むように「描く」方向を目指しています。自分なりに墨絵ではなく「墨描画」と名付けました。あえて言うと「墨を含んだ筆」を「無限に柔らかいクレヨン」のように使う感覚です。 幸運なことに僕の菩提寺である巣鴨染井の蓮華寺から襖11面のスペースを頂き、2年かけて「冬春雪花図」「動物涅槃図」を完成させました。また、破墨と書の研究からは「涙墨画」と名付けたものも参考として出品します。こちらは滲みのカオスに任せる技法で、自分の中に絶えず表れる衝動的な抽象表現です。この二つの方向性の極端な違いは自分でも唖然としたままですが、制作が面白くていまのところ傍観しています。
上野早智子展 2015年3月23日~2015年3月28日 私は今、家族についての絵を描いている。 一枚の写真から絵をおこしていくが、自ずと家族の気配を感じるものを選んでいる。 それはなぜか、と考えてみると 家族という集団は人間が生まれた時の原始的な形態を未だに保っており、 いわば人間の生死に大きく関わる重要な役割を果たしている存在だからではないか と、思っている。 私は、自分の家族の死については別段深い恐怖を感じる。 写真に映る媒体を通し、写真の表面をなぞるような感覚で絵を描くことで 自らのアイデンティティや、生死について考えているのかもしれない。
富田菜摘展「平成浮世絵-役者舞台之姿絵-」 2015年3月2日~2015年3月20日 富田菜摘(とみた・なつみ)は1986年東京生まれ。多摩美術大学油画科在学中の2007年にギャルリー東京ユマニテで初個展後、東京、名古屋、大阪などのギャラリーで個展を開催。その後、妻有アートトリエンナーレ、「高島屋美術水族館」など多くのグループショウで作品を発表し、2009年にはシンガポールに滞在。現地で集めた素材で制作し、シンガポールや香港の個展で発表しました。その他にも金属廃材を使ったワークショップを行うなど多方面で活躍、現在最も注目される若手作家のひとりです。さらに2013年は佐藤美術館(東京・新宿)、昨年はBunkamura Box Gallery(東京・渋谷)での個展で子供から大人まで多くの来場者を集め好評を博しました。 富田の代表的な作品は、自転車や電子機器などの金属廃材で作られた、キュートで愛らしいカメやザリガニ、ワニ、鳥などの動物の立体作品で、大きいものは約2m、中には椅子のキャスターをそのまま仕込み、子供がその上に跨いで乗ることもできるようになっています。 富田が金属の作品と並行して発表しているのが、新聞や雑誌の切り抜きを使った等身大の人物作品です。それぞれの作品には彼女がイメージしたキャラクターと名前が付けられ、メタボおじさん「鈴木虎之介」は新聞の健康欄に見入り、モテキャラ女子大生「山田友里」は雑誌cancamでと、その表情や服装、スタイルは彼らを象徴する素材で驚くほど精巧に作られています。 さらに、近年は人物作品と同じ手法で雑誌や新聞を素材に浮世絵を思わせる半立体状レリーフの作品を発表しています。前回の個展では国会乱闘をモチーフに絵巻物の鳥獣戯画をベースとして、騎馬戦で戦う表情豊かな議員たちを現代の人間群像としてリアルに表現しました。 今回の新作は、人物レリーフ浮世絵シリーズの新作で人気アイドルがモチーフになっています。「浮世」には、その時代の最新流行、当世の好色の意味がありますが、浮世絵はその時代の息吹をリアルに描いた絵画で、富田は「今」をテーマに現代の浮世絵を作ってみたいといいます。 当世の人気アイドル(AKB48、ジャニーズ、宝塚など)の役者絵の浮世絵は、それぞれが雑誌「ポポロ」、「Myojo」、AKB48の記事などを素材に表情豊かに作られ、その他EXILEの武者絵や読者モデルの小町娘など、5~7人を一組として、約10点のレリーフ(総勢約30人)が登場します。さらに金属を素材に動物などの新作も数点展示します。 本展はギャルリー東京ユマニテで2年ぶりの新作展となります。常に現代の世相をリアルに見つめ、次々と新たな展開に挑戦する富田菜摘の新作を今回もお見逃しなくどうぞ是非ご高覧下さい。 <作家コメント> 「浮世」とはもともと、悩みの多い現世を「憂世」と呼び、それが「来世までの一時的な仮の世だから浮き浮き楽しく生きよう」という庶民の人生観に変わって「浮世」と呼ぶようになった。 浮世絵に描かれる人気のスター、アイドルたちは今も昔も変わらず、皆の興味、憧れの対象で、憂き世をウキウキと生きるために、彼らはいつの世も夢や希望をふりまいている。
繪畑彩子展  「見てはいけない」 2015年3月2日~2015年3月7日 「見てはいけない」 もしも、〝この部屋の中は見ないでください〟と言われたら・・・ あなたはそれを見ずにいられるだろうか。 もしも、その入ってはいけない扉が少し開いていたとしたら・・・ あなたはその隙間をそっと見てしまうのではないだろうか。 もしも、この世に禁じられた場所があったとしたら・・・ あなたはそれを見てみたくはないだろうか。 そして、その場所をあなただけが知ることができたとしたら・・・ あなたはそれを見ずにいられるだろうか。
谷川晃一展  「都市の陰翳」 1976-1978 2015年2月12日~2015年2月28日 谷川の作品は自然界の動物や植物などが色彩豊かに描かれた作品が特徴ですが、今回は76年~78年に制作された作品を展示いたします。谷川は、アメリカ文化を心身通して享受した少年時代の体験を当時のアメリカ大衆文化に沿って「アール・ポップ」と呼び、79年には自身で画集の編集、展覧会などを行いました。今回はこの時代に描かれた100点余りの作品から約15点を選びました。 殺伐とした都市の風景に形象化した無表情な群衆たち。作品の画面には戦後、思想や世相が大きく変化を遂げ、時代に取り残された若者たちに大きな影響を与えたアメリカ文化から、それらに戸惑いながらも漂い、どこにでもいる正体のない平凡な人たちが溢れています。谷川がその時代に描いた作品は現代の今という時代にも呼応する感覚があるようです。今回、東京では4年ぶりの展示となります。この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
小笠原森展 2015年2月2日~2015年2月7日 素材に対する行為を基にした作品の生み出す関係性の可能性、またそれによるフィードバックの可能性が気になります。 モノや素材に対する行為を伴わずとも美術が成立するという認識が既に一般的になった現代において、実際に存在する素材と向き合い、それを扱う事がどういう事なのかを考えます。 事象を指し示すための矢印としての作品ではなく、敢えて言語化を 避けて素材と向き合い、 意識と無意識を往き来しながら、作り手自らがしつこくウンザリするくらいに単調な行為を繰り返すと、それは言葉を超えた情報を発するのではないかと思うのです。
菅野由美子展 2015年1月19日~2015年1月31日 身の回りの器を油彩で淡々と描く菅野由美子(b.1960)、2年ぶりの新作展です。    西洋の静物画を思わせる静かな佇まい。これまでは数個の対象を描いた作品がメインでしたが、今回は画面いっぱい所狭しと48個もの器を描いた大作などが発表されます。 静謐な中にも饒舌な個性が絵画の楽しさへ観る者を誘います。新しい年明けととも菅野の世界をにじっくりとお楽しみください。
川島 清 展「水量VIII」  2014年10月27日~2014年11月22日 今春、久しぶりに銅版画の新作を発表した川島。昨年秋には彫刻「水量シリーズ」の個展を二会場で行いましたが、今回はそれに続く新作を発表します。 今回もお見逃しなく是非ご高覧下さい。 
宮田康弘展 2014年10月27日~2014年11月1日 千早ぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くくるとは 散やすき秋の紅葉の霜枯て見しにもあらぬ人の色かな 「もみじする」を辿ってみました。 本年制作の作品での個展です。
右澤康之展 2014年10月20日~2014年10月25日 支持体(画布)とそれに対峙する人との間に中吊りのまま垂直に佇む、何にも属さない特殊な存在である皮膜(メディウム)=絵画。私の近作絵画には複数の矩形が直感的に配されている。配された矩形は明確な意図による構成や具体的な空間の構築をめざしてはいない。生成されるわずかな奥行きに、〈ゆるやかさ〉と〈緊張〉という、相反するベクトルが同時に存在しつつ、そのいずれでもないありようを見いだしたいと願う。
野田裕示 「拡大の一例 II」 2014年9月29日~2014年10月18日 野田の作品は日々、自由に繰り返し描かれる膨大な量のデッサンから生まれます。一見、幾何学模様や植物、有機的なフォルムにも見える文様は野田が無意識に追い求めた心地よいかたちなのかもしれません。 今回の新作は、それらのかたちを様々なサイズに拡大しタブローに落とし込まれたもので、その画面は絵具の層とキャンバスが幾重にも重なり、削り取られ豊かな表情となって表れています。 本展は150号の大作のほか、4mにもおよぶ連作、その他小品数点が展示されます。次々と新たな試みを見せてくれる野田裕示の新作展。今回もこの機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
向山裕展 「砂の原野・霊告」 2014年9月8日~2014年9月27日 向山裕(むこやま・ゆたか)は1984年大阪府生まれ。宝塚造形芸術大学在学の2005年、当画廊企画の若手作家を紹介する展覧会humanité labで個展を開催。100号~120号の巨大なキャンバスに、実際には指先ほどの小さな熱帯魚や、頭と尾に分かれたウナギなどを精密なタッチでリアルに描き、注目を集めました。その後、韓国での個展やグループショウ、「高島屋美術水族館」、「美の予感」(共に髙島屋各店へ巡回)に出品。2012年には髙島屋(東京、名古屋、大阪へ巡回)で個展を行い、その卓越した技術によって描かれた、どこか愛着を感じさせる作品が多くの反響を呼びました。 向山が近年描くモチーフは、ウナギ、たこ、海ほたるなど海洋生物が多く見られます。向山は、気になった生物を入念に調べ、入手できるものは実際に飼って、その生育を共にします。例えば「うみほたる」は、実際にはゴマ粒くらいの大きさですが、顕微鏡で観察し、ついには解剖して内蔵や体のしくみを詳細に調べ上げ、キャンバスに描いていきます。それらは標本のようなリアルさで、作家の意思を殆ど感じさせない写実的な手法で描かれますが、何処か空虚な悲哀感と懐かしさにも似た愛着を感じさせます。さらに、一昨年の髙島屋での個展では巨大サイズのイカの骨や米粒をFRPで作った立体作品も発表し、新たな領域へ広がりを見せました。 これまで珍しい海の生物などを数多く描いてきた向山ですが、その興味は自然界とその生命の循環、殆どが短命もしくは一瞬で繰りかえされる美しくも儚い現象の不可思議さにあるようです。砂浜に打ち上げられたイカの亡骸、静かな海上に上がった水柱、今まさに孵化しようとする瞬間など、緊張感あふれる作品からはそれらの生命体と彼らから届けられる様々なメッセージへの畏敬の念が感じられます。 今回の個展は2年ぶりの新作展となり、100号の大作のほか油彩約10点、他にFRPなどで制作した立体作品も展示いたします。昨今注目を集める若手作家の中でも、高度な技術とインパクトのある作品で定評のある向山。期待の新作展を是非ご高覧ください。 尚、同時期に髙島屋各店へ巡回するグループ展『髙島屋幻想博物館』へも新作数点を出品しています。併せてご高覧下さい。 <作家コメント> 「砂の原野・霊告」 ―― 海に出た、眩しい。波打ち際に、なにか赤いかたまりが打ち上げられているのが見える。そちらの方に近づいてゆく―― 足元に、赤い大イカの胴体。ヒレがまだ少し動いている。濡れた表皮は、かつての水面の耀い夢に見ているように、色素泡を淡くざわめかせている。 まえに、何処かで会ったことがある気がする。周りには人も鳥もいない。 自然が、自分に何かを告げている。意味はわからないが、遠い祖先から繰り返し受けている、ある深刻なメッセージである。 海の方へ目を遣る。砂浜、遠く水平線までつらなる砂の原野。キスの群れが砂上を滑ってゆく。
鎌田あや展 「いずれ、いずれ、あるところで…」 2014年8月25日~2014年9月6日 鎌田あやは1981年東京生まれ。2010年多摩美術大学大学院修了後、トーキョーワンダーウォール、岡本太郎賞、中之条ビエンナーレなどに出品。東京、大阪で発表し、ユマニテでは今回が5年ぶり3回目の個展となります。 鎌田作品の根底にあるのは、女性である自分自身、女性なるその不思議な生き物への興味でした。鎌田自身や友人から集めた毛髪で作られた立体オブジェ、見知らぬ誰かに使われた中古の衣服、装飾品、インテリア雑貨などによるインスタレーション、日々の生活にあふれる手鏡、メイク道具にびっしりと施されたつけまつげ。意図せず知らぬ間に作られたイメージに苦悩しながらも、女性本来のしたたかで繊細な感覚、強さ、美しさをインパクトのある独特の作品で発表してきました。 今回の新作は、1mもの板ガラスに花やランプなどのモチーフが描かれています。よく見るとそれは細かい文字がびっしりと彫り込まれ、その一字一句は鎌田が無作為に選んだ小説の原文をそのまま彫り描いています。ガラスの両面から見えるフォルムはとても美しく繊細ですが、刻み込まれたその文字の痕跡は二度と消えることはありません。板ガラスに延々と文字を彫り続ける鎌田の行為は、まるで写経のように時間の経過を刻みながらも、消えることのないストーリィとこれから始まるであろうすべての事柄を受容する凛とした強さを感じさせます。 今回もまた新たな展開を見せる鎌田の美しくも儚げな新作。お見逃しなく是非ご高覧下さい。
新世代への視点2014 佐竹真紀子展 「記憶する皮膚」 2014年7月21日~2014年8月2日 「画廊からの発言 新世代への視点2014」は、銀座・京橋を中心とした12画廊の共同開催による展覧会で、各画廊が推薦する若手作家の個展を同時期に開催する企画です。ギャルリー東京ユマニテは佐竹真紀子(さたけ・まきこ)を紹介いたします。 佐竹は1991年生まれ、現在武蔵野美術大学大学院に在籍しています。数々の展覧会にて精力的に作品を発表するなか、「リキテックスアートプライズ2012」では準グランプリを受賞、活躍目覚ましい注目の若手作家です。 佐竹の作品でまず目を引くのは、その鮮やかな色彩です。画面上の一本の線のなかに、実に多くの色がひしめいています。目を凝らすと、それは描かれた線ではなく、削り取られる事であらわになった色の積層の断面である事に気が付きます。支持体全体にアクリル絵具を一色ずつ層になるように塗り重ね、その色層を削りイメージを描き出すユニークな手法で制作されています。 時に色層は切り込みに沿ってめくれ、皮膚のように生々しく支持体から垂れ下がります。本来見る事のない絵具の裏側があらわになり、色層をまとっている隠された内面への興味をかきたてます。あるいは、今まとっている色を脱ぎ捨て、新しい何かへ変化しようとする姿かもしれません。 宮城県出身の佐竹は、東日本大震災を挟んで過去と現在を行き来するように、自身の記憶と体験をもとに制作しています。それは鮮やかな色彩で、悲しみを覆い隠しているだけなのかもしれません。しかし、目をそらさず向き合い続ける姿勢からは、前に進もうというという意思と、未来への希望が感じられるのです。 昨今、平面作品から立体作品へと表現の幅を広げている佐竹ですが、本展では展示室全体を使ったインスタレーションを展開します。佐竹の目に映る世界がどのような色彩で表現されるのか、この機会をお見逃しなく是非ご高覧ください。 <作家コメント> 皮膚は誰もが持ち合わせている境界線である。 本当のことが知りたくて手を伸ばしても、それが目に見えているのか、あるいは内包されているのか、所在はわからない。 ただ指先に残る記憶を頼りに探していく。
humanité lab vol. 50 岡知代展 「漆表面II ―その奥に内包された世界―」 2014年7月21日~2014年8月2日 ギャルリー東京ユマニテが若手作家を紹介する実験的な展覧会「humanité lab」。今回は岡知代(おか・ともよ)を紹介いたします。 岡は1986年生まれ。現在、金沢美術工芸大学大学院で漆芸を専攻、金沢を中心に活動しています。昨年は東京での初個展を当画廊にて開催、漆を素材に今最も注目される若手作家のひとりです。 漆を鏡面に磨き上げた岡の作品は、水面のように滑らかな表面に有機的な文様が浮かび上がります。よく見ると、文様は二重、三重に描かれ、光の加減によって違う表情を見せます。艶めく漆の黒、箔の金属的なきらめき、さらに透明度の高い漆によって描かれる透明な文様。思わず覗き込みたくなるような世界が広がります。 今回発表される新作は、パネル3枚を組み合わせた幅3.6mの大作です。是非ご高覧いただけますようお願いいたします。 <作家コメント> 私は漆の物質感に惹かれ制作を行っている 漆の艶や透過性などの素材としての魅力や 塗り重ね、研ぎ出すなどの技法としての特徴を用い 空気と触れる面、そしてその奥に内包された世界をもつくりだす それらが重なり合わさることで出来るのが私の考える漆表面である 自然界の目には見えないが存在する細胞や微生物、そして感覚的に感じる奥に蠢く何か 見えそうで見えない 無いようで有る 一見何も無いような世界の微細で感覚的なイメージを、漆の表面を通して追い求めている
谷瑛展 TANI Ei 「鉢中天下」 2014年7月14日~2014年7月19日 鉢は、器である。器の道は、物を入れる。ところが、器に物を入れるのは、限度がある。山海は、天下である。天下を鉢に入れるのは、痴人の夢である。天下を入れるのは、ただ、人のこころである。こころの広さは、天下を入れても余裕がある。こころも鉢である。広いこころしか、山、川、海が入ることができない。だから、鉢の天下は、こころの世界である。人のこころは十色がある、鉢の天下も十色がある。私の天下は、紺色である。
humanité bis 八代萌展 YASHIRO Moe 「ことば」 2014年6月30日~2014年7月5日
humanité lab vol. 49 久米亮子展 KUME Ryoko - window - 2014年6月23日~2014年7月5日
humanité bis 森綾乃展 MORI Ayano 「解放される場所」 2014年6月23日~2014年6月28日
川島清新作版画展 「埠頭茎」 2014年6月2日~2014年6月21日 川島清は1986-88年にAsian Cultural Councilの助成を受けて渡米。P.S.1プロジェクト(ニューヨーク)に参加。1993年に川島清「内層の視点-Observation」いわき市立美術館、「90年代の日本-13人のアーティストたちの提言」(ローマ市立フォルクローレ美術館、デュッセルドルフ美術館)、2000年「ART TODAY 2000-3つの回顧から」(セゾン現代美術館)に出品。個展を発表の中心として精力的に制作活動を続けています。また近年は2006年いわき市立美術館での「彫刻なるもの-川島清、土谷武、若林奮の作品から」、2007年熊本市現代美術館での「ATTITUDE 2007 人間の家 真に歓喜に値するもの」に出品。日本を代表する彫刻家の一人として活躍しています。 川島は従来から、鉄、銅、木、石膏などで構成される重厚な彫刻作品を発表していますが、近年は銅版画にも取り組み、作品の幅を広げています。今回は、4年ぶりとなる銅版画の新作を13点発表します。この機会に是非ご高覧下さい。
タキモトタカユキ展 TAKIMOTO Takayuki ”si no no me” 2014年5月26日~2014年6月7日 しののめ[東雲]は、空間、一瞬、明るさ、はかなさ、を連想させます。 今回はメタリックなアクリルガッシュを使用したことで、しののめのようなイメージが表現された、と思うのですがいかがでしょうか。 丸と線をくり返し重ねて描くことによって、どのような表現が可能なのか、これからも丸と線にこだわって制作を続けていきます。
T氏コレクション 若林奮展 WAKABAYASHI Isamu 2014年5月19日~2014年5月30日 来年には美術館での大規模な回顧展が予定されている彫刻家・若林奮(1936-2003)。 今回は個人コレクター所蔵作品から、70~80年代の貴重な立体作品を展示いたします。 この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
村井進吾展 MURAI Shingo ”CARTA” 2014年4月7日~2014年4月26日 村井進吾(むらい・しんご)は1952年生まれ。多摩美術大学大学院修了後、数多くの個展、グループ展に出品し精力的に発表しています。近年は大分市美術館での大規模な個展、1996年からは茨城県筑波山麓を会場に、およそ隔年開催されている「雨引きの里と彫刻」に出品。彫刻と地域の在り方を野外彫刻展という場を通して提示してきました。さらに、2009年春に国立新美術館で開催された「アーティストファイル2009-現代の作家たち」では、全長42mという大空間に黒御影石の作品群で、静謐な空間を作り好評を博ました。 村井の作品はそのストイックな印象のせいか、まず石の美しさに心を奪われます。作品は黒御影石や大理石を掘削しただけの一見、簡潔極まりない形状をしていますが、それらの表情を丁寧に見ると所々に内部に思いを馳せる痕跡がいくつも見られます。村井は従来、石塊を分割し再度組み立てた作品を発表してきました。それは二度と内部構造を見ることが出来ない、見えない部分を想像するしかない作品でした。そのような中、近年は内部を隠すのではなく、外から全てが見える作品へと変化してきています。 物体である「石」に、ある構造を与えることによって、その作品はどのような見え方をするのか?さらに、闇の固体である石とはどのような物体なのか?その闇の内部を見てみたい、と村井は言います。 村井の作品は常に「石」本来が持つ、重量感や緊張感を湛えながらも、沸々と湧き上がってくる不可思議で愛おしくもあるその素材への探究心が十分に発露されたものと言えます。 今回は近年発表している方形のエッジを削り取った「破辺体シリーズ」の新作になります。並行して発表している「黒体シリーズ」と対を成す作品で、35cmが基本の単位となり、そのユニットがいくつか組み合わさり、最終的には140×175×35cmのサイズとなります。これらはひとつひとつが独立したカードのように一枚ずつめくるカルタ(CARTA)をイメージさせる作品です。展示内容はこの大作のほか、小品数点となります。 今回は画廊の展示スペースも変わり、また新たな空間でどのような表情を見せるか楽しみな展示となります。この機会をお見逃しなく是非ご高覧頂けますようご案内申し上げます。
加藤清美展 KATO Kiyomi 「心象標本 II」 2014年3月17日~2014年3月29日 加藤清美(かとう・きよみ)は1931年東京生まれ。戦後の日本銅版画家を代表する駒井哲郎に師事し、60年代から「東京国際版画ビエンナーレ」「春陽会」などで版画作品を発表し、80年代からは油彩画も制作。ギャルリー東京ユマニテでは、80年代から銅版画の個展を開催してきました。 近年はBOXオブジェの制作にも取り組み、現在も精力的に制作を続けています。 加藤の作品は、一種の舞台装置を思わせる画面から始まります。舞台にいる向こう側の世界と、それを眺めるこちら側の世界。不思議に向こう側から差し出された手や、伏目がちな女性の優しい表情、何も映し出されることのない鏡。それらは、私たちの日常からは遠くかけ離れたものではなく、ふと振り返った時に見えてしまう幻覚のような世界なのかもしれません。その繊細で静謐な作品は、今まで多くのファンを魅了してきました。 今回は7年前に発表した高さ40cmほどBOXオブジェの新作が7点発表されます。その他、銅版画を数点展示いたします。静けさと慈愛に満ち独特の世界観。この機会をお見逃しなく、是非ご高覧下さい。
林孝彦展 ”Time After Time” 2014年3月3日~2014年3月15日 林孝彦(はやし・たかひこ)は1961年、岐阜県生まれ。'87年、東京藝術大学大学院版画専攻修了後、西武美術館版画大賞展優秀賞、'89現代日本美術展東京都美術館賞を受賞するなど注目を集めました。 林孝彦の銅版画作品は、精巧な技術に裏打ちされた、スピード感のある力強い曲線と明快な輪郭の画面構成が特長です。また、版画とは別に手すき和紙やパーチメント(羊皮紙)に布や糸をコラージュしたり、インクで描かれたドローイング作品も発表しています。さらに、近年では国内での発表に留まらず、アメリカ、ドイツなどでも個展を開催し、そのどこか懐かしさを感じさせるプリミティブな作品は多くのファンを魅了してきました。 今回の新作展は、銅版画の他に紙にインクで描かれたドローイング、近年手がけている木口木版など約25点が発表されます。今回、当画廊では約6年ぶりの新作展となります。お見逃しなくどうぞ是ご高覧下さい。
古舘幸一展  2014年3月3日~2014年3月8日 壁のようなものの上に具体的な風景や私の内面世界などのイメージを混在させ、無機物から有機物に転換にしようと試みている。しかしそれに成功した次の瞬間その物体はただの壁のような無機的な物質に戻ってしまう。この転換が繰り返し行われると有機物と無機物の境は崩れ去っていき、相反するはずの両者の境は曖昧になっていく。一つの物質の中で複数の世界が交錯する作品が作れたらと思い制作している。
豊海健太展 TOYOUMI Kenta ‐いつか‐ 2014年2月17日~2014年2月22日 空想世界 いつか、こんな世界が訪れたら。 人は想像に酔う。 しかし、そこには夢と相反して、世界の終焉が存在する。 幻想的な海底都市は、水没した世界と同様である。 空想か現実か。 同一で相反する世界を制作する。 今回、新しい試みとして漆と緑青を用いた平面作品を展示します。漆の独特な艶と緑青の美しく儚い表情をご覧いただければと思います。
安井寿磨子銅版画展 2014年2月17日~2014年2月22日 安井寿摩子(やすい・すまこ)は1959年大阪生まれ。大阪芸術大学美術学科卒業後、銅版画を数多く制作し、関西を中心に定期的に個展やグループ展で発表を続けています。 安井の銅版画は繊細なエッチングに、色彩は全て一枚ごとにパステルで彩色された作品で童画のようなやさしい画面が特徴です。その幻想的で温かみのある作品は村上龍、藤本義一、池上永一などの本にも使われ、また新聞の挿絵や本の装画などにも多く使われています。さらに近年は絵本の執筆なども行い多方面で活躍し多くのファンを魅了しています。 本展は当画廊にて2年ぶりの新作展となります。色彩豊かな銅版画のほかにドローイングなども含め約30点の展示となります。この機会をお見逃しなくどうぞ是非ご高覧下さい。
三宅駿雄展  「発生」 2014年1月27日~2014年2月1日 発生 あらわれて、あること――。 作品はあらわれるものである。 朝、日の出とともに光によって目覚めるように 光は色を感じさせ、色は世界を与える。 眼前にある景色は、感じるままの色そのものである。 そして光はそのものに触れることを許し、 そのものが何かを知るために、私たちは触れるのである。
リトルクリスマス2013 小さな版画展  2013年12月9日~2013年12月14日 安井寿磨子、林孝彦、佐竹邦子など活躍中の版画家45名の新作をこの期間限定、特別価格で販売します。    (全作品A4サイズ 各¥7,350)    クリスマスのプレゼントとしても最適です。是非お気に入りの作品を見つけてください。
武井伸通 村越真優 「ぼくとわたし、わたしとぼく展」 2013年12月2日~2013年12月7日 現在、和光大学2年在籍の武井、村越による初めての二人展。
川島 清 パティオ 2013年11月11日~2013年12月7日 川島清は1986-88年にAsian Cultural Council の助成を受けて渡米。P.S.1プロジェクト(ニューヨーク)に参加。1993年に川島清「内層の視点-Observation」いわき市立美術館、「90年代の日本-13人のアーティストたちの提言」(ローマ市立フォルクローレ美術館、デュッセルドルフ美術館)、2000年「ART TODAY 2000-3つの回顧から」(セゾン現代美術館)に出品。個展を発表の中心として精力的に制作活動を続けています。また近年は2006年いわき市立美術館での「彫刻なるもの-川島清、土谷武、若林奮の作品から」、2007年熊本市現代美術館での「ATTITUDE 2007 人間の家 真に歓喜に値するもの」に出品。日本を代表する彫刻家の一人として活躍しています。
加納光於 《よせる波も、かいの色も》 2013年10月7日~2013年11月2日 加納光於(かのう・みつお)は1933年東京生まれ。独学で銅版画を学び、50年代半ばから作品を発表。60年代にはリュブリアナ国際版画ビエンナーレ、東京国際版画ビエンナーレなど数々の国際展で評価を高め日本を代表する作家のひとりとなりました。 その後80年代からは色彩豊かな油彩作品を発表。国内外の美術館で展覧会を行い、2000年には愛知県美術館で大規模な個展を開催。'05年には再度、リュブリアナ国際版画ビエンナーレの日本代表として出品。近年はほぼ隔年ごとに新作を発表し精力的に活動を続けています。 さらに、9/14からは神奈川県立近代美術館・鎌倉において13年ぶりとなる公立美術館での個展が始まります。この展覧会は50年代初期銅版画から、国際展などで受賞したモノクロームの代表作、色彩豊かな油彩大作、オブジェと半世紀以上にわたる加納作品を一堂に展覧できる機会となります。 ギャルリー東京ユマニテでの本展は、2年ぶりの個展となり、鎌倉での展覧会に併せて開催されるものです。2001年制作の未発表油彩の他に新作を含め10数点の展示となります。 ここ数年、加納は鳥や楕円のような形を組み合わせ、色彩の洪水ともいえるダイナミックな作品を発表してきましたが、前回の個展からは自身の手や庭にある樹木の葉のシルエットを用い、柔らかい色彩のイメージへ変化してきました。常に更なる進化を見せる加納ですが、「色身(ルゥーパ)」を見つめるその作品世界は時間を経てもなお、観る者に新たな気付きと感動を与えてくれます。鎌倉での大規模な回顧展とギャルリー東京ユマニテでの新作展。貴重な機会となる今回、お見逃しなく是非ご高覧下さい。
humanite bis  右澤康之展 2013年9月30日~2013年10月5日 私の近作絵画には複数の矩形が直感的に配されている。配された矩形は明確な意図による構成や具体的な空間の構築をめざしてはいない。生成されるわずかな奥行きに〈ゆるやかさ〉と〈緊張〉という相反するベクトルが同時に存在しつつ、そのいずれでもない有りようを見出してゆく。そこにおいて現実的な物質(画布)とそれに対峙する人との間に中吊りなまま垂直に佇む、何にも属さない特殊な存在である〈絵画〉に出会いたいと願う。
額田宣彦 「定常II」 2013年9月17日~2013年10月5日 額田宣彦 (ぬかた・のぶひこ) は1963 年大阪生まれ。'91年、愛知県立芸術大学大学院修了後、'99年には助成を受け、ロンドンに滞在。その年、アメリカ、ヨーロッパを巡回し日本の若手作家を紹介する大規模な展覧会”Painting for joy”(国際交流基金主催)に出品。その後も国内外の展覧会で発表を続けました。'09年には愛知県美術館で開催された「放課後の原っぱ櫃田伸也とその教え子たち」で新作を発表。そのシンプルでストイックな作品は、好評を博し、現在では常に注目を集める作家の一人として活躍しています。 額田の作品は均一に塗られた下地の上に、限られた色の線画を施したもので、一見CGのようですが、実際にはマスキングテープなどを一切使わず、フリーハンドで延々と画面に線を積み上げていきます。近年は、エッグテンペラと油絵具で、麻布の布目に沿って描かれる究極の技法にまで到り、さらに前回個展では、真っ白な画面の四隅に単色を乗せたもの、地色の上にやっと見えるか見えないかの拙い一本のラインがあるもの、など作品は究極を極めました。それは、額田が追い求めてきた限りなくシステマティックに作り上げる絵画でした。 今回は120号Sというサイズに拘わり、大作3点を中心に構成されます。額田は、『「絵を描くことを反芻すること」が大切なことだと改めて実感している』といいます。画家として、一人の人間として「絵画」と「日常」をつなぐ「対象」とは何かを考えた時、常に画面と対峙し描き続け当たり前に真正面から実践することが、その「対象」に値するものではないか、という結論に達し、近年は「制作」にもっと従事したいと思うようになったといいます。 作品に出会った時、何かの手がかりを探そうとする観る者の思いを断ち切るかのような額田作品ですが、そのストイックでシンプルな印象はどこまでも力強く、絵画という存在を超えて私たちの奥底に侵入してきます。 今回も前回に続き1年半ぶりの新作展になります。淡々と絵画と向きあい、その先に生み出された等身大の作品とともに、じっくりと静かに堪能していただける空間が今回も用意されました。この機会に是非ご高覧下さい。
富田菜摘展 「おとなの大運動会」 2013年8月26日~2013年9月14日 富田菜摘(とみた・なつみ)は1986年東京生まれ。多摩美術大学油画科在学中の2007年にギャルリー東京ユマニテで初個展後、東京、名古屋、大阪などのギャラリーで個展を開催。浜田市世界こども美術館、妻有アートトリエンナーレ、「高島屋美術水族館」など多くのグループショウで作品を発表。また、2009年にはシンガポールに滞在し現地で集めた素材で制作し、シンガポールや香港でも発表。その他にも金属廃材を使ったワークショップを行うなど多方面で活躍し、現在最も注目される若手作家のひとりです。さらに今年1月には佐藤美術館(東京・新宿)での個展で子供から大人まで多くの来場者を集め好評を博しました。 富田の代表的な作品は、自転車や電子機器などの金属廃材を組み立てて作られた、キュートで愛らしいカメやザリガニ、ワニ、鳥などの動物の立体作品で、大きいもので約2m、中には椅子のキャスターをそのまま仕込み、子供がその上に跨いで乗ることもできるようになっています。 富田が金属の作品と並行して発表しているのが、新聞や雑誌の切り抜きを使った等身大の人物です。それぞれの人物には彼女がイメージしたキャラクターと架空の名前が付けられ、メタボおじさん「鈴木虎之介」は新聞の健康欄に見入り、モテキャラ女子大生「山田友里」は雑誌cancamで、海外からのビジネスマン「ジョージ・ウィリアムズ」はジャパンタイムスでと、その表情や服装、スタイルは彼らを象徴する素材で驚くほど精巧に作られています。 さらに、今回の新作は一昨年発表の浮世絵をモチーフにした半立体状レリーフの作品と同じ手法で、絵巻物を連想させる現代の人間群像を作り上げました。 子供の頃に友達と真面目に取り組んだ運動会のように、今でも私たち大人は何気ない日常の中で運動会さながらの真剣勝負を続けています。国会の乱闘騒ぎは騎馬戦、カップルは二人三脚、合コンは花いちもんめ。しかしながら、その真剣な様子は不思議と滑稽な姿に見えてきます。今回メインの作品となるのは「騎馬戦 ‐国会乱闘」。議員バッチは宙を舞い、メガネを落として慌てふためいている議員や、血眼になって戦う彼らを冷静に見つめ様子をうかがっている者たち。この作品は長さ5mほどの大作で絵巻物の鳥獣戯画がヒントになったといいます。常に現代の世相をリアルに見つめる富田の眼差しには、どこか毎日を普通に暮す人々への愛しさが感じられます。 本展はギャルリー東京ユマニテで3年ぶりの個展となり、人物レリーフの大作を中心に10数点、その他に金属の動物作品も発表します。また、同時期開催で、東京・表参道のGalerie 412においても金属を素材に動物作品を中心に個展を開催します。空間の違う2会場同時開催となる今回。次々と新たな展開に挑戦する富田菜摘の新作をお見逃しなくどうぞ是非ご高覧下さい。
泉菜々子展 IZUMI Nanako ~机上の空論の果て~ 2013年8月26日~2013年8月31日 土佐和紙に油性水性木版を使った作品を主に制作しております。今回は、サブタイトルにも書かせていただいた、~机上の空論の果て~をテーマに、連作から小作品など、多数新作を揃えております。 毎日在廊を予定しておりますので、お近くにお立ち寄りの際は、是非お越し下さりますようお願い申し上げます。
中島真理子展 NAKAJIMA Mariko ―在ること― 2013年7月29日~2013年8月7日 モノが溢れるこの世の中で、モノそのものではなく、それが“在る”ということに興味があります。何かをつくり出すことではなく、その姿かたちを変えることで、“在る”ことに気づくことができればと思っています。
新世代への視点2013 飯嶋桃代展  2013年7月22日~2013年8月3日
山口洋子展 2013年7月22日~2013年7月27日 土→木→芽→葉→花 繰り返され繋がっていることと、切り離され細分化されることはまるで別のことのようで同じことなのではないのか。 ただ繰り返され連鎖することで成り立つように、反復する型と形を集めて一つの作品にしました。
岡田ムツミ展 2013年7月8日~2013年7月20日
木村剛士展 2013年7月8日~2013年7月13日 この展覧会のテーマ、Livestockは家畜を意味しています。この類いの動物は野生の動物に比べて自立性や病気への免疫力が低く、序列性を形成するそうです。集団で野生化した家畜を映像で見たときに人間社会の一片を見ている感覚になりましたし、だからこそ何か役に立つことをこの動物達にしてやりたいとも思いました。 私はこの展覧会での作品全てに櫓(やぐら)を建てました。 動物達はこれで立っているのが楽になります。 紫外線で色が変化するライトも取り付け、それに反応する塗装もしました。集団で生活する彼らはこれで仲間を見つけ易くなるはずです。 そしてその後はというと、有害な塗料と紫外線は体を蝕み、櫓をつけた動物はもはや立つことしか出来ず、横になって深く眠ることさえ許しませんでした。
岡知代展 「漆表面―表層と内面世界―」 2013年7月1日~2013年7月6日 漆の艶や透過性という素材の魅力と 塗り重ねる、研ぎ出す、吸上げるなどの技法の特徴を用い 表層だけでなくその奥に広がる内面世界をもつくりだし その中での現象を模様によって表している 一見静かで穏やかな表層の奥には無限に広がる世界があり そこには混ざり合い廻り続ける流れがある そんな相反する2つの世界を持つ掴みどころのない妖しく幻惑的な漆表面を追求しています
川島清 ドローイング  2013年6月17日~2013年7月6日 川島清は1986-88年にAsian Cultural Council の助成を受けて渡米。P.S.1プロジェクト(ニューヨーク)に参加。1993年に川島清「内層の視点−Observation」いわき市立美術館、「90年代の日本−13人のアーティストたちの提言」(ローマ市立フォルクローレ美術館、デュッセルドルフ美術館)、2000年「ART TODAY 2000−3つの回顧から」(セゾン現代美術館)に出品。個展を発表の中心として精力的に制作活動を続けています。また近年は2006年いわき市立美術館での「彫刻なるもの−川島清、土谷武、若林奮の作品から」、2007年熊本市現代美術館での「ATTITUDE 2007 人間の家 真に歓喜に値するもの」に出品。
西島直紀展 "Switch" 2013年5月27日~2013年6月15日 年ぶりとなる西島直紀の新作展を開催いたします。 西島は以前からアカンサスの葉のシルエットを用い、紫や紺などいくつかの色層を重ね合わせた抽象的な作品を発表していましたが、前回の個展では一変して湖畔や山荘、森などどこか懐かしい風景を描いた作品へと変化して来ました。4年ぶりとなる今回の新作は静かな庭や水の流れる風景などに加え、新たに人体を描いた大作が発表されます。 描かれるその風景は色彩を抑えたブルーグレーや淡い青紫色で、さらに画面全体には規則正しくたくさんのドットが散りばめられています。今回の展覧会タイトル「switch」は、ドットが場面の切り替えを起こさせるスイッチボタンのような役割を果たしています。そのスイッチを押す、認識することによって目の前に広がる場面の遠近感を狂わせ、時間を俯瞰させるような不思議な光景が広がります。日常の何気ない風景でありながら、どこか深層心理へと誘う作品群。是非ご高覧下さい。
佐久間結子展 "Yemanja" 2013年5月13日~2013年5月25日 湘南の海の近くで生まれ育つ。 幼い頃はいつも江の島が遊び場だった。 20代に入ってからは江島神社で巫女として数年間奉職。 その後アメリカ南西部、メキシコ、ブラジルなどを旅するなかで、ラテン文化特有の強い色彩とフォルムに大いに刺激を受ける。 神話や目に見えない世界を、わかりやすくキッチュに描く事を目指して試行錯誤の日々。
池田龍雄展 「場の位相IV ドローイング」 2013年5月7日~2013年5月25日 池田龍雄(いけだたつお)は1928年佐賀県生まれ。大戦後の50年代初頭から常に前衛的な立場で制作に取り組み、いわゆるルポルタージュ絵画運動の中で注目されました。その後、日本の戦後美術を代表する作家の一人として絵画、オブジェ、パフォーマンスなどを行い、その活動は美術の枠を超え、舞台や映画の仕事にも携わりました。 2010-12年には山梨県立美術館を皮切りに、川崎市立岡本太郎美術館、福岡県立美術館、原爆の図丸木美術館(埼玉県)で大規模な回顧展が開催されました。また近年「具体」や1950年代以降日本の戦後美術が再評価される展覧会が続いていますが、昨年末から今年2月にかけニューヨーク近代美術館MOMAで開催された「東京1955-1970」でも池田の作品が出品され、その時代の美術シーンには欠かすことのできない作家の一人として評価されています。池田は今年85歳になりますが、現在も精力的に制作を続けています。 今回は、近年発表を続けている「場の位相シリーズ」の延長線上にある作品群で、紙やパネルに描かれたドローイングの作品を10数点発表いたします。 当画廊では4年ぶりの新作展になります。この機会に是非ご高覧下さい。
リトグラフ技法書出版記念 佐竹邦子版画展−風のかたち 2013年4月15日~2013年4月27日
平井理紗展 2013年3月11日~2013年3月16日
野田裕示 「拡大の一例」  2013年3月4日~2013年3月23日 今回の作品は、昨年国立新美術館での個展以降に制作された新作で、従来のカンヴァスを重ね全体を被った凹凸のある重厚な印象から一転してフラットな画面となり、絵具を何層にも重ね削り取られた手法はそのままに、白の背景に記号のような形態が連続する軽やかな作品となっています。本展は全て50号の作品で16点が展示されます。 次々と新たな試みを見せてくれる野田裕示の新作展。今回もこの機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
流麻二果 2013年2月19日~2013年2月28日
近藤竜男ドローイング 1955-59 KONDO Tatsuo drawings 1955-59 2013年2月4日~2013年2月16日
ユマニテコレクション展 2013年1月7日~2013年1月31日
リトルクリスマス2012小さな版画展 2012年12月20日~2012年12月27日 <出品作家>安芸真奈、安藤真司、生嶋順理、井上厚、今村由男、岩渕華林、太田敦子、岡沢幸、岡田まりゑ、荻野佐和子、小倉みなみ、尾関立子、片平菜摘子、亀山知英、木下恵介、木下直耶、木村繁之、小林文香、齋藤悠紀、斉藤里香、佐竹邦子、佐藤真衣、鈴木良治、住田裕見、ちばさなえ、茶之木絵理、釣谷幸輝、鶴巻貴子、常田泰由、中島奈津子、二階武宏、野口真弓、林明日美、林孝彦、原陽子、平垣内清、廣澤仁、筆塚稔尚、古本有理恵、古谷博子、松本秀一、箕輪千絵子、宮嶋結香、八木文子、安井寿磨子、若月公平、渡邊加奈子、綿引明浩(計48名)
菅野由美子展 2012年12月5日~2012年12月18日 今回の個展では新作約15点を発表いたします。今回は背景がより丹念に描かれ、重要な要素として意味深で大きな空間が配置されました。その作用によって、器たちに命が吹き込まれ、それぞれのストーリィを含んでよりリアルな存在感が感じられます。菅野自身が器に対して持つ「空洞」という感覚は、未完であるが故の魅力に満ち溢れています。さらに、菅野は対象がなくなった空気感を描きたいとも言います。それは存在したであろうものの気配を描くという究極の絵画かもしれません。ギャルリー東京ユマニテでは昨年に続いての新作展となります。菅野の作品を通して絵画と対峙する幸福感をじっくりと味わっていただきたいと思います。今回もお見逃しなく是非ご高覧下さい。
川島清路傍ノート(3) 2012年11月5日~2012年12月1日 川島の彫刻作品は見るものの意識、価値観を揺さぶります。それは時代の流行とは一線を画し、また既存の彫刻概念では計ることができない問いかけが要因のひとつです。川島は彫刻を日常的な連関におき、非日常的な時間のエネルギーを引き出す方法を考えます。つまり、裂け目をつくり隠されたものを現します。それは結合しながら分離することの表出にも繋がるのです。
岡田修二展 2012年10月15日~2012年10月27日 一瞬、モノクロ写真を思わせる画面ですが実は油彩で描かれています。オーガンジーのような繊細な色彩の層がいくつも重なり、湿度さえ感じる作品です。2mもの大作5点と水彩数点を発表します。ユマニテでは6年ぶり2回目の個展、是非ご高覧下さい。
恩地孝四郎作品展?肉筆? 2012年10月1日~2012年10月13日
福村龍哉展FUKUMURATatsuya"Arch//Pillar" 2012年9月10日~2012年9月21日 鉄、セメントなど重厚な素材で、門や柱を思わせるイメージを、画廊空間全体を取り込んだ作品で発表します。今回は、ギャルリプス(東京銀座)との2会場同時開催となります。併せて是非ご高覧下さい。
humanite lab vol. 45 久米亮子 KUME Ryoko "another friend" 2012年8月23日~2012年9月5日 絵画における色と形を可能な限り純化し、余分なものを削ぎ落として行く中に私の美学があります。 目に見えるものの背後から流れ出る豊かなエネルギーを、キャンバスの表面に取り込む為には、画面が単純明快ではあってほしい。そして、そのエネルギーとは植物が成長していく様や水の流れ等、生命の循環に関するもので、癒しの力と覚醒の力の両方があると感じています。 時には花の一瞬の細部のようであり、また時には永遠に続く広大な風景のようでもあり、常に部分と全体の両面を感じさせ、見る側の想像力を掻き立てる、そんな抽象的世界を描き続ける事が理想です。
新世代への視点2012 友成哲郎  「鳥獣飢餓」 2012年7月23日~2012年8月4日 私にとって、人間以上に興味をそそられるものはありません。その魅力溢れる人間を創作したい一心で、制作を続けています。もがき、泣き、叫び、じっと見つめる人の群れ…日常における葛藤や苦悩する姿を、彫刻を媒体とし表しています。その人間像が鑑賞者を惹きつけられる存在になるよう、日々精進していきたい所存です。
安井寿磨子展 2012年5月28日~2012年6月9日 安井寿摩子(やすい・すまこ)は1959年大阪生まれ。大阪芸術大学美術学科卒業後、銅版画を数多く制作し、関西を中心に定期的に個展やグループ展で発表を続けています。安井の銅版画は繊細なエッチングの線上に、一枚ごとに手彩色された作品で童画のようなやさしい画面が特徴です。その幻想的で不思議な世界は村上龍、藤本義一、池上永一などの本の装丁にも使われ、また近年は、新聞の挿絵の仕事などでも多くのファンを魅了しています。 本展は当画廊で二年ぶり8回目の新作展になります。この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
井上雅之展  「初形より−山」 2012年4月9日~2012年4月28日
野田裕示 1984-2012 2012年2月6日~2012年2月25日 本展は、東京で初めての回顧展となる国立新美術館での「野田裕示 絵画のかたち/絵画の姿」(会期2012.1/18-4/2)に併せて開催するもので、80年代初期作品から、今年制作の新作までおよそ25点を展示いたします。 野田の作品は80年代初期、レリーフ状の箱型作品から始まり、徐々に支持体全面を袋で被い、カンヴァスを重ねて画面を構成する手法に移行していきました。また近年は、人体のような白いフォルムが浮かび上がり、シンプルで躍動的な作品を見せています。それは、野田が以前より追い求めてきた「かたち」のもつ有機的な面白さを前面にした作品で、二次元の平面を飛び越え、その生々しいかたちが見る者に迫りくる三次元の立体のとなって現れてきました。常に支持体との関わりを思考し、絵画の持つ力強さとかたちの魅力を追い求めてきた野田の30年に及ぶ取り組みを、本展でも充分に感じていただきたいと思います。この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
村井進吾展 「黒体 2011」 2012年1月10日~2012年1月28日 今回は近年発表している表面を細かく削り取った「黒体」シリーズの新作になります。今春発表した「黒体1101」は高さ2.5mもの巨大な塔のような強い印象を与えるものでしたが、今回の新作は高さがわずか10cm前後。地を這い、地面を覆うようなその新作が、画廊の空間でどのような表情を見せるか楽しみな展示となりました。 新たな展開に期待が高まる今回の新作展。
吉原洋一展 「詩人・声・肖像」 2011年12月22日~2011年12月28日 吉原洋一は1983年神奈川県生まれ。大学時代に訪れたパリで偶然、アンリ・カルティエ・ブレッソンの作品に出会い強烈な印象を受け、「写真で人を撮る」ことに魅せられてきました。現在は、ポートレイト写真を中心に発表をしています。 ギャルリー東京ユマニテでは、2006年10月から詩人が自作を朗読するプロジェクト「La Voix des Poètes (詩人の聲)」の企画に協力。その後、他画廊での公演も増え今年700回を迎えます。 吉原はこのプロジェクトに参加し、詩人が画廊という空間において自身の肉声にのせ自作を1時間朗読すること、そして詩人への興味からこの撮影を始めました。今回の展示は、昨年6月以降、当画廊を会場に行われた17人の詩人たちの朗読会において1時間10枚に限定し撮影された作品です。 画廊という非日常の空間で繰り広げられるパフォーマンス、詩人の一瞬が切り取られ、鑑賞者とともに作られる緊張感。吉原の写真からは、対象者への温かい眼差しが感じられます。会期中には、朗読会も行われます。この機会に是非ご参加下さい。
リトルクリスマス 2011 小さな版画展 2011年12月22日~2011年12月28日
加納光於 2011年12月1日~2011年12月21日 今年春以降、加納は今までの仕事を振り返る時を持ち、より生命感あふれる具体性を持った形と、馴染みのなかった紙、柿渋、水彩との出会いで新たな作品が生まれました。今回の個展は、1年ぶりの新作展になりますが、76x56cmのサイズを中心に紙に描かれた約30数点の出品となります。 次々と新たな展開を見せる加納光於の新作をお見逃しなく、この機会に非ご高覧下さい。
川島 清 路傍ノート2 2011年10月31日~2011年11月28日 川島の彫刻作品は見るものの意識、価値観を揺さぶります。それは時代の流行とは一線を画し、また既存の彫刻概念では計ることができない問いかけが要因のひとつです。川島は彫刻を日常的な連関におき、非日常的な時間のエネルギーを引き出す方法を考えます。つまり、裂け目をつくり隠されたものを現します。それは結合しながら分離することの表出にも繋がるのです。 ここ数年展開している「水量」シリーズの仕事に連関する「路傍ノート1」が2011年4月に発表されました。今回はそれに連続する展開がなされます。鉛、銅、木を含めた鉄/テーブル状の彫刻と水彩ドローイング12~13点が発表されます。常に圧倒的な存在感とかつ繊細で神秘的なイメージを与える川島作品。今回の「路傍ノート2」。その彫刻空間に接し体感して下さい。
額田宣彦「定常」 2011年10月3日~2011年10月22日 2mもの大作にフリーハンドで描かれたライン。とてもシンプルな作品ですが、そこには様々な罠が見え隠れします。 今回も絵画の醍醐味を充分に体感できる空間が用意されました。この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
高橋常政 「絵画の動的平衡」 2011年9月5日~2011年9月24日 今回の展覧会タイトル「絵画の動的平衡」は、物質が走馬灯のようにさらさらと流れるイメージで、今起こっているこの現実はあらゆる物質が見ている夢のようなものなのではないか、と高橋はいいます。そのような視点から今回の新作は人間や動物、植物などそれぞれが強い存在感を持ちながらも渾然一体となったストーリィのある作品になっています。 ユマニテでは、実に18年ぶり4回目の個展、作品発表も12年振りとなる本展。2.6mもの大作を中心に約40点の展示になります。 益々精力的に新展開を見せる高橋常政の世界を是非ご高覧下さい。
新世代への視点2011 大久保愛 「病からあなたを想う」 2011年7月25日~2011年8月6日 大久保はこれまで、見知らぬ人が捨てたコンビニのレシート、落とされた電車カード、捨てられた名刺などを拾い集め、そこに残されたデータを自身でたどり、存在したであろう「ある人」の日常を、ある時は探偵のように、またはストーカーのようにまったく同じように追体験し作品にしてきました。大久保は見知らぬ人の気配を集め、その人がどのような生活をしているのか想像する行為がたまらなく好きだといいます。今回の展示では、数年前から制作している薬を用いた立体作品を発表します。大学の女子トイレやいつも並ぶバス停などに落ちていた薬のカプセルや錠剤のパッケージ。大久保はそれらを採取し、その薬の効能や症状を調べ、それらを服用していたであろう人たちの生活や感情を想像し、きれいな立体作品へと作り上げていきます。その素材となる薬は蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、アレルギー性鼻炎、関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症など。日常生活の裏側に潜む現代人の様々な感情と気配に大久保はそっと寄り添います。何気ない日々の生活から、ふと目をそらした瞬間に身の回りに溢れる人の痕跡は、今までにない別の景色を見せてくれるようです。怪しくも繊細な大久保愛の世界。どうぞ是非ご高覧下さい。
IMPACT 2011 鎌田あや 北村奈津子 高木真希人 富田菜摘 藤川沙樹 山口奈穂 2011年7月4日~2011年7月21日 本展は「IMPACT 2011」と題し、以前開催していた「IMPACT3」に倣い、現在ギャルリー東京ユマニテで継続的に発表をする20代の作家、さらに大学在学中の作家を含む6人の新作展を開催いたします。 鎌田あやは毛髪や古着など女性の痕跡をオブジェやインスタレーションで表現。北村奈津子は石粉粘土や木彫でアスパラガス、バナナなどの野菜や世の中の可笑しさをユニークな視点で見つめます。高木真希人は雑誌のスナップショットをモチーフに一風変わった主人公が登場。富田菜摘は金属廃材で精巧な動物作品を発表。藤川沙樹はオイルスティックやアクリルを素材に大らかなで伸びやかな線で人物を描き、山口奈穂はどこか懐かしい形を彷彿とさせる平面作品を発表しています。 藤川は現在多摩美大の学生ですが、その他の作家は「humanité lab」で在学中に個展を発表して以来、ユマニテでの個展や国内外の展覧会に参加し活躍を続けています。今回の展示も立体、インスタレーション、平面と表現形態は違いますが、それぞれにインパクトある作品を発表し今後の活躍が注目される作家たちです。この機会に各作家の新作をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
humanite lab vol. 42 谷口歩展 2011年7月4日~2011年7月9日 ギャルリー東京ユマニテが若手作家を紹介する実験的な展覧会「humanité lab」。今回は谷口歩(たにぐち・あゆむ)を紹介いたします。谷口は1984年東京生まれ。2008年に多摩美術大学油画専攻卒業し、昨年同大学大学院博士前期課程修了。今回が初個展となります。 谷口は針金の細いワイヤーを毛糸のように単純作業の「編む」行為を延々と続け、有機的な形の立体作品に仕上げていきます。一瞬キラキラと光輝く形は工事現場などで使われる針金とは思えない美しさを見せてくれます。 今回は、ワイヤーで作られた大作と、色鮮やかな毛糸を編んで作られた「糸のドローイング」と題されたユニークな形のオブジェ数点を発表します。会期は短いですがこの機会に是非ご高覧下さい。
humanite lab vol. 41 田中俊之展 2011年6月27日~2011年7月2日 ギャルリー東京ユマニテが若手作家を紹介する実験的な展覧会「humanité lab」。今回は田中俊之(たなか・としゆき)を紹介いたします。田中は東京造形大学、富山ガラス造形研究所を経て、2009年米国Virginia Commonwealth Universityにて美術修士課程を修了しました。女子高生の頭から泡が吹き出し続ける作品など、絶えずかたちを変え、そして消えていく泡をもちいた立体作品を発表いたします。是非ご高覧下さい。
浅井純介展 「煉瓦1/1」 2011年6月13日~2011年6月25日
恩地邦郎の摺りによる 恩地孝四郎作品展 ~ひと・こころ・からだ~ 2011年6月13日~2011年6月25日
大恩地邦郎作品展 ~万華鏡~ 2011年6月6日~2011年6月11日
humanite lab vol. 40 上浦佑太展 2011年6月6日~2011年6月11日 ギャルリー東京ユマニテが若手作家を紹介する実験的な展覧会「humanité lab」。今回は上浦佑太(かみうら・ゆうた)を紹介いたします。上浦は1982年神奈川県生まれ。2009年に筑波大学大学院人間総合科学研究科博士前期課程を修了しました。緻密に計算されたカーブがうねるように広がる曲線と、グラデーションを用いた色彩とが重なりあう作品を発表いたします。是非ご高覧下さい。
大平弘展 2011年5月16日~2011年5月28日 この度、ギャルリー東京ユマニテでは、大阪を拠点に木彫の幻想的な作品を発表する大平弘の新作展を開催いたします。大平は1961年生まれ。グラフィックデザインの仕事をメインに活動し、朝日広告賞、毎日広告デザイン賞などの各部門で受賞するなど活躍しています。その傍ら、ヒノキ材を素材に幻想的な物語を思わせる中性的な人体木彫を発表してきました。 大平はグラフィックデザインの表現素材選びを、木彫の材料、素材選びに重ね合わせたのが、この仕事をするきっかけになったと言います。ヒノキ材の少し湿った手触り、その香りを身近に感じながら、カッターナイフを使い素材と対峙し、新しいかたちを産み出す行為。大平はこれらの木彫作品を作ることで、グラフィックデザインという別の仕事とのバランスを取っているようです。 今回はギャルリー東京ユマニテにて2年ぶりの新作展となります。木のぬくもりと静謐な時間に満たされた大平の作品。この機会に是非ご高覧下さい。
ユマニテコレクション−若手作家を中心に  2011年4月28日~2011年5月14日 京橋、日本橋界隈は古くから多くの古美術画商、画廊が点在しており、GWに併せて「東京アートアンティーク 日本橋・京橋骨董まつり」が開催されます。 古美術店だけでなく現代美術ギャラリーも含め65店が参加し、日曜、祝日もオープン。この機会に是非新たな画廊周りを楽しんで下さい。 ユマニテはこの企画に併せて、20代を中心とした若手作家のグループ展を開催いたします。 この展示のための新作や、東京初出品の作品を展示いたします。是非ご高覧下さい。
川島清個展 路傍ノート 2011年4月4日~2011年4月26日
菅野由美子展 2011年2月7日~2011年2月26日 器は、器であるがゆえに空洞をもつ。なにかがその空洞を埋めてはじめて器たりえるとしたら、からの器がそこにあるだけでは 本来は不完全なのかもしれない。あるいは、その未完の在り方が、器というものの特質だとも言える。時にその器のまわりには、 それを扱う人々の気配がするようで何となく気持ちが揺さぶられるのだが、しかしやはり、ただ目の前でぽっかりと空いているだ けの、沈黙の空洞に心惹かれるのである。 なのでこの絵もまた、器のもつ不完全性や不在感の意味を負うのである。見る人たちが大切な何かを込めておけるような、静 かな空洞のある絵だといい。
野田裕示 NODA Hiroji new works 2011 2011年1月11日~2011年1月29日 近年の個展では、人体のような白いフォルムが浮かび上がり、シンプルで躍動的な作品を見せてきました。それは、 野田が以前より追い求めてきた「かたち」のもつ有機的な面白さを前面にした作品で、二次元の平面を飛び越え、そ の生々しいかたちが、見る者に迫りくる三次元の立体のとなって現れてきました。 今回の新作展は、前回の作品から変わって、以前から取り組んできた動植物や人体を思わせるフォルムのモチーフ を、野田独特の色彩と絡めて作られたダイナミックで楽しい作品で、100 号の大作を約10 点、その他紙作品も発表い たします。常に意欲的に新たな作品に取り組む野田裕示の新作をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
加納光於《鳥影−遮るものの変容》 2010年12月6日~2010年12月25日 1年半ぶりになる今回の新作は7mもの大作になりました。 その他、油彩のエスキース作品など貴重な作品も展示いたします。この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
川島 清 展 水量VI 2010年11月1日~2010年11月27日 川島清1951年生まれ。83年に東京芸術大学大学院美術研究科彫刻後期博士課程を満期退学。1986-88年にAsian Cultural Council の助成を受けて渡米。P.S.1 プロジェクト(ニューヨーク)に参加。1993年に川島清「内層の視点―Observation」いわき市立美術館。「90年代の日本― 13人のアーティストたちの提言」(ローマ市立フォルクローレ美術館、デュッセルドルフ美術館)。 2000年「ART-TODAY 2000― 3つの回顧から」(セゾン現代美術館)に出品。精力的に創作活動を続け、個展を発表の中心としている。2006年いわき市立美術館での「彫刻なるもの― 川島清、土谷武、若林奮の作品から」、2007年熊本市現代美術館での「ATTITUDE 2007 人間の家 真に歓喜に値するもの」に出品。日本を代表する彫刻家の一人として活躍。 近年の川島の作品は、即物的な物質性を確保し、作品の根幹を成している物質の本源的な質の開示に至り、身体性を通して獲得された作品表面における質の強度と差異を通して、彫刻空間を創り上げている。その質は明らかに物質の始原に向かっている。川島は彫刻の限界性を自覚し、他の誰よりも緊密にその限界性について関わりを持っている。その内容は、円環をなしている終わりのない暗部に入りこんでいることを示しており、それが川島の作品にある種の神秘的なイメージを与えていると思われる。 今回の出品作は、近年発表している「水量-二胴体」「水量-胴体容」に続く作品となり、全長5mに及ぶ大作となる。
向山裕展 「石室・現像」 2010年10月12日~2010年10月23日 向山が近年描くモチーフには、ウナギ、たこ、海ほたるなど海の生物が多く見られます。向山は、まず気になった生物をネット や辞典で調べ、入手可能な生物は実際に 飼って、その生育を共にします。例えば「うみほたる」は、実際にはゴマ粒くらいの大き さですが、顕微鏡で観察し、ついには解剖までして内蔵や体のしくみを詳細に調べ上げ、キャンバスに描いていきます。それらは、 図鑑に登場しそうな、作家の意思を殆ど感じさせない写実的な生き物ばかりですが、どこか愛くるしく、ユニークで人間のような親 しみや悲哀を持っているかに見えます。 さらに今回の新作「いかめし」はきれいな白磁の器に盛りつけられ、何故か青い畳の上に置かれています。つるつるとした飴色 の醤油の匂いが立ち昇ってきそうなイカ飯。向山は描きたいモチーフの質感、触感、そしてそれらを含む全てをよりリアルに描くために、構図の組み合わせまで徹底的に拘り作品を作り込んでいきます。 今回の個展は2年ぶりの新作展となり、100 号の大作のほか油彩約8 点、他に動物の一部分をFRPなどで制作した立体作品数 点を展示いたします。昨今注目を集める若手作家の中でも、高度な技術とインパクトのある作品で定評のある向山。期待の展覧 会を是非ご高覧ください。
流 麻二果 『湧々(わくわく)』 2010年10月4日~2010年10月23日 作品は一見、風景画か、抽象画のような印象ですが、その画面にはわずかに人が存在したであろう気配が感じられます。 流は “見ず知らずの他人が、どんな生活を送っているのか無性に知りたくなる習癖が私にはある。”と言います。彼女の興 味は、淡々と日常生活を送る何気ない人々、直接に関わることがない人たちの人生や暮らしであり、作品がそれらを垣間見 るための手がかりとなっていました。 今回の新作展のタイトルは『湧々(わくわく)』。流は、前回の個展に発表された作品が人間観察からさらに進んで、見ず知ら ずの人への想像や、様々なイメージが混じり合って咀嚼されていく過程の絵画”と話ました。その行為を重ね、それでも掴み きれない謎を孕んでいる愛おしい存在である他者への興味は、地下から湧き出る泉のように沸々と湧き上がってきます。今 回の新作も僅かに見える人体のフォルムや、微かに残る人々の匂いが作品となり芳醇な色彩と透明感あふれる画面となっ て現れています。 今回の新作展では100号の大作を中心に油彩を約25 点展示いたします。さらに、YUKA CONTEMPORARY (東京・文京区) http://www.yukacontemp.com/ でも同時期に新作展を開催いたします。(会期:10 月9 日(土)-10 月30 日(土)) ギャルリー東京ユマニテでは2 年ぶりの新作展となる今回、空間の違った2会場で開催されるこの機会をお見逃しなく是非 ご高覧ください。
佐竹邦子展 「風の化石」 2010年9月27日~2010年10月9日 数年前から、フレスコを描くことが多くなった。描きたいものを描いていたら、自ずとフレスコの素材がピッタリ来 るような感覚があったから。 私の中の「風のかたち」は、版表現でも続けてきたモチーフであるが、これらを石化したらどうなるだろう・・・ そんなことを考えながら作り始めたのだった。 思いもかけず、モルタルに浸食するピグメントの、それはまさに版を腐食していく過程と大変にていることに気 付いた。時間をかけて色が石化し変容する様は、私にとっての「フレスコ=壁画」ではなく、もはや「化石化」で ある。しかし、それは「風化」ではない。モルタルに浸食した鮮明な顔料が、私の風のイメージを刻み込み、石化 していくのである。
天童大人 個展 2010年9月27日~2010年10月2日
寺井絢香展 TERAI Ayaka “zokuzoku” 2010年9月13日~2010年9月18日 ギャルリー東京ユマニテが若手作家を紹介する実験的な展覧会「humanite lab」。今回は寺井絢香(てらいあやか)を紹介いたし ます。寺井は1989 年浜松市生まれ。現在、多摩美術大学油画科3 年に在籍しています。 寺井は大判の紙に、キウィ、たけのこ、プリンなどの食物、または画鋲やマッチ棒など、身の回りに何気なく存在するものたちを 愛おしむかのように丁寧に描いていきます。同じ対象物でもそれぞれに違った表情や形があって、全く同じ存在はありえない。 それはまるで私たち人間一人ひとりの存在のように。どこまでも延々と続くもの達の群衆は、どこか愛らしく、多くのイメージを膨 らませ、私たちに自由な記憶を辿らせてくれます。 学外では今回が初めての発表となります。瑞々しい感性の発端を見せてくれる寺井の作品展。是非ご高覧下さい。
菊池怜司展 2010年9月6日~2010年9月18日 菊池は、子供の頃から病弱で入退院を繰り返す 生活の中、銅版画に出会い、上智大学に進んだ 後も中退し銅版画の制作に没頭していきました。 菊池の作品イメージには人体解剖図や検査に使 う計測器、医師が書くカルテの文字を思わせるも のが多く出てきます。 それは、彼が日常目にした風景ですが、生への強 い意志が画面に残された痕跡として作品から見て とれます。60 年代後期、アートシーンも時代の変化を大きく受け止めた時代、一人の若き銅版画家の仕事として 大きな意味を持っているといえます。 今回の展覧会では、ご遺族の意向で手元に残され た38 種類59 点の作品を展覧販売いたします。 本展の出品作は、没後1969 年に東京店大阪フォ ルム画廊で開催された「菊池怜司銅版画遺作展」 出品のために、遺族監修の元で刷られた作品で すが、その際ご遺族のために残された作品を販 売させていただくもので、ご遺族からの菊池作品 は今回が最後の展示となり、菊池の仕事をほぼ網 羅する展示となります。 現在も尚、多くのファンを持つ菊池の銅版画の世 界。この機会にお見逃しなく是非ご高覧下さい。
城戸保展 2010年8月23日~2010年9月4日 私は絵画を制作する過程で、光がもたらす現象に興味をもちました。写真は光のある一状態を定着し、ファインダーを 通すことによって意識化された視線で対象物を捕らえ、即物的に事物と向き合うことができる表現です。 カメラ特有の描写を利用して、自分が面白いと感じる世界の見方(事物の存在と人が意識することの曖昧さやずれ)を 少しずつ拾い集めて、いつかは自分の眼差しの世界体系ができないかと考えたのです。
humanite lab vol.33 出和絵理展  2010年8月2日~2010年8月7日 ギャルリー東京ユマニテが若手作家を紹介する実験的な展覧会「humanite lab」。今回は出和絵理(でわえり)を紹介いたします。出和は1983年石川県生まれ。現在、金沢美術工芸大学大学院博士課程に在籍しています。白く透き通るその小さな立体は、まるで紙細工のようにとても繊細で、掌において慈しむ掛けがえのない大切な宝物のようですが、実はすべて磁器で作られています。一瞬息をのむような美しさ。是非ご高覧下さい。 ●作家コメント ものづくりで、どれだけ美を生み出せるか。どれだけ癒せるか。 ものづくりが、どれほど美を生み出しているか。どれほど癒しているか。 ものづくりに、どれだけ感動しているか。どれほど救われているか。 素材の美と技巧。自然物への畏敬の念。それらをもってして、その、つくり手の一人になりたい。
新世代への視点2010 富田菜摘展「さんざん待たせてごめんなさい」 2010年7月26日~2010年8月7日 富田の代表的な作品は、既に廃棄された自転車や電子、事務機器などの金属廃材をバラバラに分解し、再度、縦横に合体、組み立てられたカメやザリガニ、ワニなどの生き物の作品で、これらは無骨な廃材から生まれ変わって、何ともキュートで愛らしい表情の作品に姿を変えていきます。これらの立体作品は、大きいもので約2m、中には椅子のキャスターをそのまま仕込んだものもあり、大人も優にその上に跨いで乗ることもできるようになっています。 富田が金属廃材の作品と並行して取り組み始めたのが、今回のメインとなる新聞や雑誌のコラージュで等身大に作られた人体作品で、タイトルは「さんざん待たせてごめんなさい」。 今回は、ギャルリー東京ユマニテにおいて3年ぶりの個展となり、今までの金属作品から一転、人体の作品を中心に平面作品も発表いたします。ここ3年で国内外の個展、グループ展、作品展示、ワークショップとさまざまなステージで活躍してきた富田の、東京での久しぶりの大規模な新作展です。 次々と新たな展開に挑戦する富田菜摘の新作展をどうぞお見逃しなく、是非ご高覧下さい。 また、ほぼ同時期に「日本橋高島屋美術画廊X」において、小学生を対象として日常品を素材に作品を作るワークショップと近作の展示も行います。 併せてご高覧下さい。
humanite lab vol.32 高木真希人展 2010年7月26日~2010年7月31日 ギャルリー東京ユマニテが若手作家を紹介する実験的な展覧会「humanite lab」。今回は高木真希人(たかぎまきと)を紹介いたします。高木は1986年静岡県生まれ。この春、多摩美術大学絵画学科を卒業し、今回が初めての個展となります。どこか憎めない異星人のようなキャラクターたちは、不思議とみな人工的な皮膚をもち、馴染みのある私たちの生活空間に突如現れてきます。「僕を見て!」と注意を喚起するかのように…。是非ご高覧下さい
岡田ムツミ展 2010年7月5日~2010年7月17日 岡田ムツミは1953年、長野県生まれ。女子美術短期大学卒業後、1985年に旧西ドイツに渡り、ケルン美術大学、パリ・ボザールで絵画を学びました。現在は、ドイツ・ケルンを制作の拠点として発表を続けています。本展はギャルリー東京ユマニテにおいて3年ぶりの新作展となります。 岡田の作品は、カンバスに極限られた色数で平行なラインや幅の違うストライプが描かれています。一見、ストイックでシンプルな作品ですが、その整理された画面からは、実に饒舌で、芳醇な香りが漂ってきます。 岡田は、例えば日課になっている散歩の途中に訪れる公園の風景、耳にする音楽、小説などから受ける感情、感覚を視覚的に表すにはどうしたらよいか、それらを絵画に置き換えたら…、という手法で作品に作り上げていきます。「眠っている」は、タンゴノピアソラの曲を聴いた時の感情を、「さくら」は桜が持つ独特のイメージと、桜の風景から立ち昇る香りや、感情を色という無限の素材を駆使して表現していきます。それは、日本から25年もの間、離れて制作、生活してきた彼女の生き様が作品となり、私たちが日々の生活で忘れかけてきた、人間が本来持っている全ての感覚を呼び覚ましてくれるようにも感じられます。 この豊かでありながら、静謐な瞑想性さえもが漂ってくる岡田ムツミの作品群、今回は、新作を含めて約15点を展示いたします。絵画の原点に戻り、充実感に満たされるこの体験を是非味わって下さい。
川島清 新作版画「蝕・シルバーホール」 2010年6月7日~2010年6月26日 鉄、木、鉛などを素材に大規模な彫刻作品を発表する川島清の3年ぶりとなる銅版画の新作展です。 ある特定のイメージを版画で表現するのではなく、銅、インク、薬品などの関わり、化学変化の痕跡を紙に残していく作業。 平面作家とは違った彫刻家の版画作品、是非ご高覧下さい。
額田宣彦 -暗順応- 2010年5月17日~2010年6月5日 額田の代表的な作品のひとつ「jungle-gym シリーズ」は均一に塗られた下地パネル の上に、単色の線画を行なった作品で、一見にはCG のようですが、実際にはマス キングテープなどを一切使わず、フリーハンドで延々と画面にグリットの形を積み 上げていきます。また近年の作品は、エッグテンペラと油絵具で、麻布の布目に沿 って描かれるような究極の技法にまで到り、1年半前になる前回の個展では、白を 基調にシンプルで緊張感と同時にどこか虚無感さえ漂う作品を発表しました。額田 は絵画を描くための色彩の組み合わせ、描くシステムという方法論を越えて、作品 にさらなる深みを与えることができたといいます。 そして今回の新作では、真っ白な画面の四隅に単色を乗せたもの、いわゆる作品 の号数を変えた組み合わせに直線を引いたもの、地色の上にやっと見えるか見え ないかの拙い一本のラインがあるもの、など作品は究極を極めました。一瞬、手が かりを探そうとする観る者の思いを覆す意図は、落ちどころなく不安をただ掻き立 てるだけですが、その印象はどこまでも強く、絵画という存在を超えて私たちの奥底 に侵入してきます。その現象こそが額田が企てた仕業といえるでしょう今回は1年半ぶりの新作展になります。額田絵画の新たな展開と、その「罠」を充分 に堪能していただける空間が今回も用意されました。この機会に是非ご高覧下さい。
Gallery Collection for Young Artists 2010年4月30日~2010年5月13日 出品作家:富田菜摘、時松はるな、大和武司、向山裕ほか。
井上雅之展 2010年4月5日~2010年4月24日 井上の作品は、粘土を板状にして形作るタタラを四角い筒状にし、そのピースを積み 重ねて作られ、大作になると、100 個以上にもなります。制作は粘土をこね、乾燥後解 体、焼成し、再度組み上げられ、ひとつの作品として完成します。これらの仕事は、例 えば農夫が耕作地を守るためにひとつひとつ黙々と積み上げた石組み、あるいは 坦々と種の伝達のために巣の造営に働く蜂などの強靭な造形物を思わせます。 そういった連続した行為によって支えられたひとつひとつの手仕事が蓄積され、 その量が形となって現われたとき、井上の作品は、その中に隠され潜んでいる本質 を見て取り「ものの力」となって物量とともに圧倒的な力となって目の前に現れます。 今回の新作では、簡素な単位形態を自然流に寄せ集め ていく構成手法が、鉄材・木材による『型』を用いることに より変容し始めています。単一の表面に覆われた形態で はない、仕切り節のついたパーツが増え、色彩の要素が 加わり、いわば生命体における細胞のように連関し積み 重なって全体を形成するという構造に変化してきました。 彼の作品がしばしば有機的な生命感を漂わせることも、 こうした構造と無関係ではないように思われます。 今回、ギャルリー東京ユマニテでは5年ぶりの新作展と なります。 3.5 x 2 x 2mの大作を中心に計3点の他、小品 数点を展示いたします。新たな展開を見せる井上の新作 をこの機会に是非ご高覧頂けますようご案内申し上げま す。
安井寿磨子展 2010年3月8日~2010年3月20日
黒田克正展 KURODA Katsumasa “Critical Point Of Memory” 2010年3月1日~2010年3月20日
神山明展 KAMIYAMA Akira New Works 2010 2010年2月1日~2010年2月20日 神山は、これまで杉材にオイルスティンで彩色し、小屋や塔、階段な どの構造物を組み合わせ、創造建築の模型のような精巧な作品を発 表してきました。 神山は、「作品を制作する上で、今までは自分が想像する世界、そ こにいる人たちを取りまく街、世界などのストーリィを見つめていたが最近は、そこに存在する「人そのもの」、その人の心象の変化を見つ め、人について思いをめぐらすようになった」といいます。 (参考作品) 紙による大作マケット また、長い歴史の中で、人が考えてきたことや見てきたものは、 どんなものだったか。そして、私たちがこれから考えることや見るものは、どのようなものなのか。それが、作品を作 るときにいつも考えていることだといいます。 「人そのもの」を考えたとき、神山がたどり着いたのは、一切着色 のない真っ白で無垢な紙のみで作られた人体を思わせる立体でし た。それは、地にしっかりと足の着いた堂々としたゆるぎない存在 でどこか神々しいまでの印象を与えながらも、反面、何も描かれな い表面は、現代人が抱える掴みきれない不確実な感情も感じさせ る独特な作品となりました。 本展は、これまでの木の作品から一転、全て紙による立体作品の 展示になり、ほぼ等身大の作品7点の他、壁に掛ける小品を併せ て約14 点の出品となります。ギャラリーの非日常的なホワイトキュ ーブに、真っ白な作品が浮かび上がる空間。ギャルリー東京ユマ ニテでは3年ぶりとなる新作展。新たな神山の造形世界に是非ご 期待下さい。
humanite lab vol.31 和田宏子展 「ニューヨーク・マンハッタン」−フューザン(木炭)と墨の世界− 2010年1月18日~2010年1月30日 数年前初めてニューヨークのマンハッタンを訪れ、そのダイナミックさと多様さ、同時に初めての所なのにどこか懐かしさも 感じさせるこの街にすっかり引きつけられています。人を圧倒する無機質的な高層建築も内部には緻密な装いがあり、下町 の赤レンガ造りの建物は正面にはりついたような非常階段がレースのような効果をあげ、ノスタルジックな気持ちになります。 地下鉄構内では乱立する鉄の支柱の無骨さに目を奪われますが、プラットフォームの壁面にある駅名のタイル装飾に手仕 事の温かさがありました。文化、言語等、幾層にも重なった異質な物を全てのみこみながら前進するこの街の魅力は豪快さ と繊細さが一体になったものと感じ制作意欲をかきたてられました。 今回の個展は木炭や墨の黒を中心に、荒目の布をキャンバスに仕立てる仕事から始め、コラージュを多用しながら私のマ ンハッタンを抽出しようという試みです。
近藤竜男展 Tatsuo KONDO new paintings 2010年1月12日~2010年1月30日 近藤竜男は1933 年東京生まれ。東京芸術大学を卒業 後、5 年ほど国内で活動したのち1961 年に渡米。2001年 に帰国して日本に再定住するまでの40 年間、ニューヨー クを拠点に制作活動を行ってきました。その間、最先端 のアメリカ美術をアーティストとして目撃し続け、その記 録をニューヨーク通信として、当時の美術雑誌等に掲載 されていたのも記憶にあるところです。 近藤が渡米した‘60 年代当時のアメリカは、抽象表現 主義が全盛でしたが、近藤はその流れとは一線を画し、 明快な原色を多用し、独立した複数の色調を組み合わせ たミニマルアートへの類似が見られる作品が代表的なも のでした。その後も、近藤は一貫して緊張感のあるクー ルな印象の作品を発表してきました。 今回の展覧会は、2001 年帰国後、その翌年に開催さ れた練馬区立美術館での大規模な回顧展以来の新作展 となります。 直線を多用し、限られた色調で計算つくされた冷静な までの画面構成から一転。今回の新作は、自由な筆跡 から生まれた緩やかな曲線を主軸に、画面いっぱいに広がる作品へと変化してきました。 現在も尚、精力的に制作を続ける近藤竜男の新作展。 是非ご高覧下さい。
村井進吾 展 -黒体- 2009年12月7日~2009年12月26日 村井進吾は1952年生まれ。多摩美術大学大学院修了後、数多くの個展、グループ展に出品するなど活躍しています。村井の作品はそのストイックな作品のためか、まず、石の美しさに心を奪われます。作品は黒御影石や大理石を掘削しただけの一見、簡潔極まりない形状をしています。しかしながら、それらの作品を丁寧に見ると、所々に内部に思いを馳せる痕跡がいくつも見られます。村井は従来、石塊を分割し再度組み立てた作品を発表してきました。それは二度と内部構造を見ることが出来ない、見えない部分を想像するしかない作品でした。そのような中、近年は内部を隠すのではなく、外から全てが見える作品へと変化してきています。物体である「石」に、ある構造を与えることによって、その作品はどのような見え方をするのか?さらに、闇の固体である石とはどのような物体なのか? その闇の内部を見てみたい、と村井は言います。 村井の作品は常に「石」本来が持つ、重量感や緊張感を湛えながらも、沸々と湧き上がってくる不可思議で愛おしくもあるその素材への探究心が十分に発露されたものと言えます。今回は2 年前の前回の個展から実験的に行われてきた、表面を細かく削り取った「黒体」シリーズの新作になります。また新たな展開を見せる村井の新作をこの機会に是非ご高覧頂けますようご案内申し上げます。
川島清展−水量V 2009年11月2日~2009年11月28日 巨大な松材を積み重ねた7mにも及ぶ大作。その足元からは今でも樹液が滴り落ち、わずかな時間の流れによって、空間は緊張感で満たされました。平面新作3点の展示もございます。是非ご高覧下さい。
野田裕示 −不在の記号− 2009年10月5日~2009年10月24日 今回の新作は約2年ぶりの発表となります。前回の新作展で発表した、人体のような白いフォルムが浮かび上がる作品を150号の大作(227.3x162.1cm)に発展させた作品が10点出品されます。作為的な手法を一切削除し、野田が以前より追い求めてきた「かたち」のもつ有機的な面白さを前面にしたこれらの作品は、二次元の平面を飛び越え、その生々しいまでのかたちが、見る者に迫りくる三次元の立体のように表出してきます。常に意欲的に新たな制作に取り組む野田裕示の新作を是非ご高覧下さい。
池田龍雄展 「場の位相−虚時空山水−」 2009年9月7日~2009年9月30日
北村奈津子展 swimming pool 2009年9月7日~2009年9月19日 北村は主に石粉粘土に着色した大量の動物や植物、人体(体長40cm ほどの牛50 頭、長さ30~90cm のアスパラガス120 本など)で展示空間を埋め尽くし、作品を作り上げていきます。一見、愛くるしい動物や植物は、よく見れば実際にはあり得ないバランスであったり、人間のような表情で、哀愁が漂っているようでさえあります。北村は、何気なく潜む日常の不思議に向き合い、その疑問を払拭するかのように、答えに辿り着くまでそれらを量産し続けます。今回の北村の不思議は「泳ぐひと」。水泳練習の一連の様子がとてつもなく滑稽に見えたという、その発想から生まれた等身大の「泳ぐひと」によるインスタレーション。さらに、子供のころから何故かその形と色に惹かれていたという「バナナ」の群衆も出現します。ギャルリー東京ユマニテでは今回が3回目の個展となります。ますますその独自の不思議さに磨きがかかってきた北村奈津子の新作。この機会に是非ご高覧下さい。
humanite lab vol.30 大和武司展 「連想ゲーム」 2009年8月3日~2009年8月8日 ギャルリー東京ユマニテが若手作家を紹介する実験的な展覧会「humanite lab」。 今回は大和武司(やまとたけし)を紹介いたします。大和は1987 年生まれ。現在、多摩美術大学絵画学科4 年に在籍。今回が初めての個展となります。脂ののったトロは、お寿司の下駄を模した巨大な板に描かれたヤンキーに、耳かきは暗闇の都市へ落下する空軍部隊へと使命を変える。大和は自身で連想した様々なイメージの中から、時間を置いて客観的に見たときに、別の意味や感覚が浮かび上がったり、広がったりした材料を選んで、鮮やかなアクリルで精密に描いていきます。大和はこれらの作業を一種の「連想ゲーム」だといいます。自身が提示した新たなイメージが、見る人の別の感覚によって、永遠に膨らみ繋がっていってほしいといいます。確実な技術によって描かれる、奇想天外な大和の作品。この機会に是非ご高覧下さい。
新世代への視点2009 鎌田 あや 2009年7月27日~2009年8月8日
小野冬黄展 “メモ・部屋” 2009年7月27日~2009年8月1日 ギャルリー東京ユマニテが若手作家を紹介する実験的な展覧会「humanite lab」。今回は小野冬黄(おのふゆき)を紹介いたします。小野は現在、多摩美術大学大学院2年に在籍。今回が初めての個展となります。木で作られた無数の文庫本が漠然と散らばる空虚な空間。使い込んだテーブルや椅子は、主人が消えた抜け殻のように佇む。小野は、五線譜や原稿用紙など、これから物語が生まれるであろうフォーマットを基軸に、様々なイメージを膨らませていきます。近年の興味は、物語が封じ込まれた本のたたずまい。そこから生まれた思いを新たな空間にインスタレーションとして作り変えていきます。今回の展示は、ベニヤ板にアクリル絵具で描いた本や扉、本棚や椅子などの家具を組み合わせたインスタレーションと平面作品になります。ホワイトキューブのギャラリー空間を新たな「部屋」にする試み。是非ご高覧下さい。
ギャルリー東京ユマニテコレクション展 2009年7月1日~2009年7月18日
大平 弘 展 2009年6月29日~2009年7月11日 この度、ギャルリー東京ユマニテでは、大阪を拠点に木彫の幻想的な作品を発表する大平弘の東京での初個展を開催いたします。大平は1961 年生まれ。グラフィックデザインの仕事をメインに活動し、朝日広告賞、毎日広告デザイン賞などの各部門で受賞するなど活躍しています。その傍ら、ヒノキ材を素材に幻想的な物語を思わせる中性的な人体木彫を発表してきました。大平はグラフィックデザインの表現素材選びを、木彫の材料、素材選びに重ね合わせたのが、この仕事をするきっかけになったと言います。ヒノキ材の少し湿った手触り、その香りを身近に感じながら、カッターナイフを使い素材と対峙し、新しいかたちを産み出す行為。大平はこれらの木彫作品を作ることで、グラフィックデザインという別の仕事とのバランスを取っているようです。今回が東京での初個展となります。木のぬくもりと静謐な時間に満たされた大平の作品。この機会に是非ご高覧下さい。
西島直紀展−遠近と時間と 2009年6月8日~2009年6月27日
川島清 新作ドローイング「MIMIZU」 2009年5月11日~2009年5月30日 川島清1951 年生まれ。’83 年に東京芸術大学大学院芸術研究科彫刻後期博士課程を修了。1986−88 にAsian Cultural Council の助成を受けて渡米。P.S.1 プロジェクト(ニューヨーク)に参加。1993 年に川島清「内層の視点−Observation」いわき市立美術館、「90 年代の日本−13 人のアーティストたちの提言」(ローマ市立フォルクローレ美術館、デュッセルドルフ美術館)に出品。個展を中心に精力的に制作活動を続けている。2006 年 いわき市立美術館での「彫刻なるもの−川島清、土谷武、若林奮の作品から」、2007 年熊本現代美術館での「ATITUDE 2007 人間の家 真に歓喜に値するもの」に出品。日本を代表する彫刻家の一人として活躍。本展は「MIMIZU」と題し、シート地を支持体とする新作の平面作品数点と未発表のドローイング約20 点で構成されます。長いあいだ、風、雨、陽にさらされ、植物や土や鉄に侵食されたシート地にイメージを作り、線を入れ、もの、 色を置くことで、そのシート地は無数の襞とあいまって、時が刻まれている様相が現われます。川島はドローイングの制作を、彫刻とともに日常的に実践しています。しかしながら、それは彫刻のためとして直接関わるものではなく、川島のイメージに複雑に流れ込んでいる、生の根元力を内へ内へと求める、その際限のない考察といえるのです。また、塩化水素に関わる実験的な作品を開示する予定です。
嶋田しづ展 パリの詩情 FRUCTUANT NEC MERGITUR 東洋と西洋との融和 「パンドラの扉は開かれる」 2009年4月6日~2009年4月25日 画面いっぱいに広がる伸びやかで色鮮やかな浮遊物。作品の中の芳醇な色のパレードと、意思を持ったようなその浮遊物の構成による作品は、思いっきり吸い込んだ、どこまでも自由な空気としか言いようがありません。嶋田は渡仏から一貫して東洋と西洋の融和をメインに作品を発表してきました。作品の色使いや構成からは西洋の自立した自由さが垣間見えますが、そのフォルムにはどこか東洋的な雰囲気が漂います。嶋田は“FRUCTUANT NEC MERGITUR”「漂えず沈まず」という言葉を座右の銘としています。これはパリ市の紋章に使われているラテン語ですが、長年、フランスと日本を行き来し制作を続ける芸術家としての生き様を充分にあらわしている言葉だと思います。嶋田はこの言葉通り、何れにあっても独自の芸術に対する信念を持ち、新たな挑戦を続けきました。昨年までは今までの作品を回顧する発表が続きましたが、本展は大作の油彩のほかに、新たに試みた陶板、オブジェなどの新作も発表いたします。混沌としたこの時代に、長年独自の理念に基づいて活動を続ける作家の作品を今一度じっくりと見つめる機会が来たのではないでしょうか。常に新たな展開を見せる嶋田しず。今回の新作展も是非ご高覧頂けますようご案内申し上げます。
加納 光於 《身振りのアルファベット、あるいは跳ね馬のように》 2009年3月9日~2009年3月28日 加納光於の作品タイトルは、文学や生物学に関連するものが多く見られますが、今回の新作タイトルは、"身振りのアルファベット、あるいは跳ね馬のように"です。2007 年前回の個展では紙に油彩で描いた今回のエスキース的な作品を発表しましたが、今回の新作は、そのシリーズを経て到達した油彩作品となります。前回の作品に見られた卵や楕円の形が家計図の数列のように秩序正しく連なっていた様が、果実を思わせる形に変化し、流動的でスピード感のあるイメージへと変化し、作品全体に重要な要素として現れてきました。今回も加納の作品からは様々なイメージが膨らんできます。今回の個展は、1年半ぶりの新作展になりますが、油彩、キャンバスの大作(227x182cm、162x130cm)を中心に20数点展示いたします。次々と新たな展開を見せる、加納光於の新作をこの機会に是非ご高覧下さい。
humanite lab vol. 28 高畠依子展 「アイ・ライク oil on canvas」 2009年2月23日~2009年2月28日 高畠は1982年福岡県生まれ。この春、多摩美術大学絵画科油画専攻卒業、現在、東京を拠点に制作活動を行っています。キャンバスの上に唐突に現れたシンプルな立体や花の形の突起物。それらは、ただ単に平面作品のキャンバスに描かれた油絵具ではなく、どこか強い意志を持った生き物のような存在感があります。高畠の作品は、きれいな色のお菓子やおしゃれといった彼女自身が大好きなものと同次元にある油絵具と格闘した結果、生まれたもので、1 枚のキャンバスに1 本の絵具を出し切って塗りこめられたレリーフのようでもあります。今回、大学卒業後の初個展となります。100号の大作を中心に10 数点展示いたします。高畠の斬新な「oil on canvas」作品を是非ご高覧下さい。
福村 龍哉 展 new works 2009 2009年2月9日~2009年2月28日 私は日頃見慣れた身近な素材(鉄、セメント)を使って、規則性のある単純な形で実際の素材感とは違った立体作品を制作しています。今回は幅約4m の大きな面と向かい合えるレリーフ状の壁面作品と、曲面と平面が織り成すうねりを持つ立体作品をメインに展示します。作品タイトルのBROCH (ブロッホ)はケルト人の作った円筒形の石造防塁建築のことで 『砦に囲まれた所』 を意味するスコットランド北部に今でも残っている遺跡です。数年前、スコットランドのスカイ島へ旅した時にいくつかブロッホを見る機会があり、それ以来、制作の上で大切なモチーフのひとつになっています。今までの個展では大作を一点展示していましたが、今回はギャルリー東京ユマニテの大きな空間で二つの作品が対峙し且つうまく響きあうことを願っています。
humanite lab vol. 27 詫摩昭人展 「逃走の線」 2009年2月9日~2009年2月21日 詫摩は1966 年、熊本県生まれ。93 年 滋賀大学大学院(美術教育)修了後、約1年間、シルクロ・デ・ベラス・アルテス(マドリッド、スペイン)で学びました。その後、関西を中心に活動を続けていましたが、2006 年からは拠点を神奈川に移し、今回の展覧会が東京での初個展となります。90 年代初めの作品はコンセプチュアルなものでしたが、その後滞在したスペインでの経験を経て、日本の風土に合った作品を模索した後、04 年から現在に至る「逃走の線シリーズ」の制作を始めました。05 年には「阪神大震災復興10 周年記念国際公募展兵庫国際絵画コンペティション」で優秀賞を受賞。地平線を含む広大な風景をモノトーンで描き、絵の具が乾く前に、立て向きに線を入れるという独自の手法で幻想的な風景を生み出しています。今回の新作展は、近年描き続けている「逃走の線シリーズ」で3mの大作2 点を中心に、その他、中小品計10 数点を展示いたします。今回が東京での初個展となります。着実に制作を続ける詫摩昭人の新作を是非ご高覧下さい。
菅野由美子展 2009年1月13日~2009年1月31日 絵を描いている気がしないことがよくあります。壁塗り職人とか器の絵付け師とか、そういう気分の方が近いような時です。なるべくすべてを均等に描く努力をしています。あるいは、ある誰かにとってとても日常的な器を並べることで、その器をその誰かに見立てて描いているのかもしれないと思う事もありますが、でも気のせいかもしれません。この絵は、たとえば同じ本を何度も何度もくりかえし読むというような、そういった個人の内省の力によって描かれていると思います。
Nobuhiko Haijima [deep river] 2008年12月15日~2008年12月27日 作家は型紙を用いて、主に動物や植物をモチーフとした絵画を制作しています。それらのモチーフは雑誌など既製の印刷物や、写真、映像などから抽出されます。その作品は対象を極度に簡潔化し、時にはほとんど抽象画のようにさえみえますが、同時に描かれた対象が物語性を感じさせ、抽象と物語、静と動、光と闇、正確さとあいまいさなど、通常は二律背反するものがしっかりと不思議と共存するシンプルな画法、画面ながらも、極めて複合的な絵画作品となっています。本展はギャルリー東京ユマニテにおいて4年ぶりの新作展となり、100 号から小品までのキャンバス作品を中心に約20 点で構成されます。
川島清 水量 IV 2008年11月10日~2008年12月6日
常設展示:野田裕示 WORKS 1984- 1988 2008年10月27日~2008年11月1日
常設展示:時松はるな 山口奈穂 太田麻里 流麻二果 岩尾恵都子 2008年10月20日~2008年10月25日
常設展示:宮崎進 谷川晃一 池田龍雄 櫃田伸也 古川吉重 霞節男 高橋常政 2008年10月14日~2008年10月18日
常設展示:加納光於 2008年10月6日~2008年10月11日
額田 宣彦 - 常用 2008年9月16日~2008年10月4日 額田は現在における絵画の在り方について一貫して追求し続けています。「私達は日々さまざまな場面、物事に対し価値を与え、選択することを迫られます。それらの「価値の基準」とは何なのか。私は「価値の基準」を示す絵画ではなく「価値の基準」を計る物差しのような絵画を作りたいと考えている。」(制作ノートより抜粋)と言います。今回は2年半ぶりの新作展になります。額田絵画の新たな展開が存分に発揮され、期待の新作展です。この機会に是非ご高覧下さい。
humanite lab vol. 24 木村みちか展 「庭のさがしもの」 2008年9月1日~2008年9月6日 草木の生い茂る庭を見ながら、それを描いている。庭は自然のリズムで姿を変え、こうであったと思って見た庭は、もう別の世界に変わっている。昨日の完成をどこかに置いてくるように促されて、私はまた筆を持つ。完成などあるはずのない変わり続ける庭の中で、私の矩形のための声を拾っていく。描いていく。
向山 裕 展 2008年8月25日~2008年9月6日 向山が近年描くモチーフには、ウナギ、たこ、海ほたるなど海の生物が多く見られます。向山は、まず気になった生物をネットや辞典で調べ、入手可能な生物は実際に飼って、その生育を共にします。例えば「うみほたる」。実際にはゴマ粒くらいの大きさですが、顕微鏡で観察し、ついには解剖までして内蔵や体のしくみを詳細に調べ上げ、キャンバスに描いていきます。それらは、図鑑に登場しそうな、作家の意思を殆ど感じない写実的な生き物ばかりですが、どこか愛くるしく、ユニークで人間のような親しみや悲哀を持っているかにも見えます。今回の個展は3 年ぶりの新作展となり、2.5x2.5m の大作を中心に油彩約10 点、他に動物の一部分を木彫で制作した立体作品数点を展示いたします。
humanite lab vol. 23 飯嶋桃代展 「溶解する家」 2008年8月25日~2008年8月30日 丸太は「木」としての存在において誰一横たわっている状態だと思う。立木から丸太として横たわり、また建材として立って家を構築する。横たわる丸太は中間的な存在として、意味としての仮死状態にあると思う。蝋は、素材として脆弱さと強かさを併せ持つものとして考えている。家の持つ、窒息感とぬくもりは蝋の素材感と近いものを感じている。そして、両者とも一時的な存在であると思う。そのような、蝋で密封された横たわる丸太でできた家は、いずれ記憶と共に溶解し、新たな景色を見るだろう。
humanite lab 小品展 2008 2008年8月4日~2008年8月9日 ギャルリー東京ユマニテが若手作家の実験的な展覧会を行う「ユマニテラボシリーズ」。2004年から始め、昨年までに21人の展覧会を行ってきました。このシリーズで発表した作家は、大半が大学や大学院在学中の学生で、学外での展示が初めてという方も多くいらっしゃいました。そんな手探りの中から、ユマニテでのメインスペースでの個展、美術館への展覧会や海外での展示など、発表の機会も広がり、活躍の場を大きく広げています。本展は、これまでこの企画に参加された作家、約20名に新作を依頼。およそ50 点ほど展示販売いたします。
新世代への視点08 時松はるな展 2008年7月28日~2008年8月9日 時松はるなは1984 年千葉市生まれ。多摩美術大学4 年在学の一昨年、当画廊が企画する若手作家を紹介する展覧会で初個展を開催。硬質なシャープペンシルで描かれた、しなやかな線で、どこか可笑しく、どこか楽しい作品は好評を頂き、その後、東京オペラシティアートギャラリーでの所蔵品展、KIAF韓国アートフェアなどに出品。 さらに「GEISAI 10」では審査員特別賞(サミュエル・クン賞)を受賞するなど、大学在学中から注目を集めました。前回の個展では殆どがモノクロの作品でしたが、今回は、色鉛筆を多用し、大作も試みました。今回の出品内容は80 号から50 号の大作のほか、およそ30 点となります。
humanite lab vol.22 齋藤知華展 2008年7月28日~2008年8月2日 プライベートな「宝もの」は時に人の理解を失うことがある。映画『エレファント・マン』でバイツがジョン・メリックに対して「私の宝もの」と語りかけるシーンがある。メリックは「宝もの」と称するにはためらってしまう醜い容姿をしている。しかしそれは一方的でアンバランスなバイツのリアルな愛情を圧縮 (参考作品 2007)した言葉だった。布を絞っていると私は私の中の小さなバイツの存在に気づかずにはいられない。布を針で刺し、糸で力いっぱいに引き絞り、煮えたぎったお湯に浸す。そうしてできたフォルムは軟弱でかわいらしく、こちらの好奇を刺激し、私の腕の中でひっそりと輝く宝ものになる。
眞田岳彦展「あの生まれ出るような感覚」 2008年7月2日~2008年7月22日
岡本敦生新作展 2008年6月9日~2008年6月28日 先ず最初に、石に意図的に無数の穴を空けます。その後で全体の形を創っていく。彫刻が、無垢である石を主体物として、そこに形を彫り込むという今までの有り様から、石に開けた 無数の穴(すなわち空洞)の有り様が彫刻の主体的素材となるわけです。素材としての空洞が、石と いう物質に「憑依」するのです。通念の中で、物の存在が曖昧になりつつある昨今、石という重くて固く詰まった物質と何もない空洞 との相対的な関係を模索しています。 (岡本敦生)
川島清新作ドローイング 2008年5月12日~2008年5月31日 川島はこれまで、彫刻の他にも近年始めた銅版画や紙に描かれたドローイングを発表してきました。ドローイングは主に作品プランや下絵のように考えられることがありますが、川島のドローイングは彫刻の前段階としての位置づけではなく、紙と鉛筆とで構成される独立した作品となり、そのイメージも彫刻で展開される様々な素材と自身の身体を濾過し格闘したプロセスと結果の痕跡が出現したものと言えます。その結果、作品サイズも270x210cm(それぞれ2点)、220x174cm(それぞれ6 点)と巨大なものとなり、展示空間を壁画のように全て覆い尽す展示になります。川島のもう一つの新しい作品展開を是非ご高覧くださいますようお願いいたします。
林孝彦展 -硝子絵「遠ざかる」は「反って来る」 2008年4月14日~2008年4月26日
流麻二果展「融景」 2008年4月3日~2008年4月26日 今回の新作展のタイトルは『融景』。流は、”前回の個展に発表された作品が人間観察への糸口だとすると、今回はさらに進んで、その先への想像や、現実の歪みが混じり合って咀嚼されていく過程の絵画”と話します。それらの作品は、僅かに見える人体のフォルムや、微かに残る人々の匂いが愛おしいものとして、芳醇な色彩と透明感あふれる画面となって現れてきます。
宮崎進展 2008年3月10日~2008年3月22日
黒田克正×清水六兵衛 −物質と意識の磁場 PartII− 2008年2月12日~2008年3月1日
野田裕示展 「不在のかたち」 NODA Hiroji new works 2008 2008年1月15日~2008年2月2日 ギャルリー東京ユマニテの新年最初を飾る野田裕示の新作展。野田のぐいぐいと力強さを持ちながらも、軽快な動きのある作品は常に見る者を引き込んでいきます。毎回、次々と意欲的に新たな作品に取り組む野田裕示の新作を是非ご高覧下さい。
humanite lab vol.21 エディソン・オソリ・サパタ展 2007年12月17日~2007年12月22日 「カルチャーフィルター」外国人が新たなコミュニティで経験する、文化の「同化」と「孤立」−なかでもコミュニケーションをするにあたっての苦労に−私は関心を持っています。各コミュニティにおける理解の相違を見ることによって、情報が、文化間の違いを通してフィルター(濾過)されるのを観察しました。そのことから「カルチャーフィルター」というタイトルをつけました。このフィルターされるプロセスを表す、物理的な形をとった独自の比喩作品を作りました。それがガラスの煉瓦ウォールです。ガラスと粘土煉瓦の組合せが、観察を可能にする、またはそれを妨げる、スクリーンの役割を果たしています。スクリーンは視界を拡散し歪めるために用い、それが曖昧で複雑なイメージを生み出します。
humanite lab vol.20 大久保愛展 2007年12月10日~2007年12月15日 今回、彼女が選んだのは街中に溢れ飛び交う「音」。大久保は日々見知らぬ人の声や物音を傍受し、どのような日常を過ごしているのか想像し作品に仕上げていきます。学外での発表は初めてとなる大久保の、ちょっと怪しくも繊細な世界。どうぞ是非ご高覧下さい。
仲田智展 -赤黄 2007年12月3日~2007年12月22日 今回の新作展タイトルは「赤黄」。昔の時間と記憶を伴った色というものの不思議な存在と、何気ないものが持つ美しさや温かさ。仲田の作品には理由もなくひきつけられる色の力が満ちているようです。今回は、カラーコピーの上に油彩やクレパスで着色した3x2mの壁面を覆う大作を中心に平面作品10点と立体の小品を展示いたします。ギャルリー東京ユマニテでは初めての個展となります。是非ご高覧下さい。
humanite lab vol.19 栗山斉展 2007年12月3日~2007年12月8日 今回の作品は、ヒューズを使った立体と印画紙約100点のフォトグラムによるインスタレーションで、目に見えない電気をさまざまな工夫を凝らしてその存在を明らかにしてくれます。また、同時期に別会場にて蛍光灯を用いた作品展示も行われます。併せてご高覧下さい。
村井進吾展 2007年11月5日~2007年11月24日 今回は黒御影石の立方体の新作が中心になりますが、辺の部分が緊張感のあるラインではなく、ギザギザの手わざが施された「破辺体」になっています。出品内容は、おおよそ60cmの立方体が7、8点、その他、小品を展示する予定です。
川島 清 新作版画展 [DOUBLE] 2007年10月9日~2007年10月27日
加納 光於 《止まれ、フィボナッチの兎》 2007年9月10日~2007年9月29日
安井寿磨子展 銅版画詩画集出版記念 2007年8月21日~2007年9月6日
加藤清美展「心象標本」 2007年7月2日~2007年7月14日
京橋界隈アートフェスタ2007岡田ムツミ展 2007年7月2日~2007年7月14日
humanite lab vol.18 伊藤一洋展 2007年6月18日~2007年6月23日
林孝彦展 2007年6月11日~2007年6月30日
humanite lab vol.17 富田菜摘展 2007年6月11日~2007年6月16日
川島 清 展 水量III 2007年5月14日~2007年6月7日
菅野由美子展 2007年4月23日~2007年4月28日
チョン・ヒョン展 2007年4月16日~2007年4月28日
humanite lab vol.15 鎌田あや展 2007年4月16日~2007年4月21日
内田晴之展 new works 2007 2007年3月12日~2007年3月31日
西島直紀展 「シーリングワックスと記憶の実」 2007年2月13日~2007年3月3日
神山 明 展 KAMIYAMA Akira New Works 2007 2007年1月15日~2007年2月3日
高梨裕理展 2006年12月18日~2006年12月26日
画集刊行記念 池田龍雄展 「場の位相 ワームホール・線」 2006年12月7日~2006年12月26日
川島 清 展 「水量 II」 2006年11月6日~2006年12月2日
野田裕示 <絵画のうしろ姿> 2006年9月11日~2006年9月30日